2018年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアの競技3日目デイ3が6月9日(土)にサルディニア島のアルゲーロを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC 9号車)が総合3位にポジションを上げた。また、デイ2でのリタイア後ラリー2規定に基づき再出走したオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)は、前日の総合19位から9位に浮上した。
なお、総合3位につけていたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)は、最終SSを走り終えた後リエゾン(移動区間)でクルマに問題が発生したため、走行を断念した。ラリー・イタリア サルディニアのデイ3は、アルゲーロの東側で7本のSSが行なわれた。デイ2は天気が安定せず、路面は一部ウェットで泥に覆われたステージも多くあったが、デイ3は概ね好天に恵まれ濡れていた路面も時間と共に乾いていった。デイ2で総合3位に順位を上げたラトバラは、4.4秒差の4位ラッピと激しいポジション争いを演じ、両者のタイム差はSS10終了時点で0.9秒に縮まった。その後僅差の攻防が続き、ラッピはSS13でベストタイムを記録するなど健闘したが、最終的にはラトバラが差を5.3秒に拡げ3位の座を堅守した。しかし、ラトバラのクルマはオルタネーターのトラブルによりサービスパークへと向かうリエゾンでストップ。自力での修理を試みるもサービスパークに戻ることはできず、デイからリタイアすることになった。チームはサービスパークでクルマを修理し、ラリー2規定に基づきデイ4で再出走しポイント獲得を目指す。一方、前日ジャンプの着地でクルマのフロントまわりにダメージを負いリタイアとなったタナックは、メカニックの渾身の作業により万全な状態となったクルマで再出走。10分のペナルティタイムを加算されながらもSS10でベストタイムを、SS14ではセカンドベストタイムを記録し、総合9位で1日を終えた。競技4日目、ラリー最終日となる6月10日(日)のデイ4は、アルゲーロのサービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行する。そのうち、SS18の再走ステージであるSS20「サッサリ~アルジェンティエラ」は、トップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。 4本のSSの合計距離は42.04km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は172.27kmとなる。トミ・マキネン(チーム代表)今日、ヤリ-マーティとエサペッカはとても素晴らしい戦いを続けていたので、最終ステージの後ヤリ-マーティのクルマにトラブルが起きてしまい、本当に残念に思います。何が起こったのかを正確に調べている段階ですが、ステージを走り終えたあたりでバッテリーの電圧が落ちたようです。エサペッカは素晴らしい走りをしていたので、もし明日表彰台に上がったら、それは素晴らしい結果といえます。ヤリ-マティには明日の再出走を期待していますし、オットと共にポイント獲得のチャンスは十分にあると思います。ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)このような結果になってしまいましたが、それでも全体としては良い1日でした。SSだけを見れば、とても上手く走れていたと思います。路面が荒れている所では注意深く走り、スムーズな所ではハードに攻めました。エサペッカのタイムはとても良く、差がどんどんと縮まっていったので、最後のステージは全力で攻めましたが、フィニッシュ近くでオルタネーターの警告が表示され、その後ロードセクションでバッテリーの電圧が下がってしまいました。今回は絶対に表彰台に上がりたいと思っていたので本当に悔しいですが、明日も諦めずに戦い続け、できるだけ多くのポイントを獲得したいと思います。オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)昨日はとても悔しい1日となってしまったので、再出走は自分にとって非常に意味があることでした。今日は日中のサービスでクルマにいくつか変更を施し、午後はとても気分良く走ることができました。クルマはほぼ完璧で、良いリズムで走れたと思います。本当はあともうひとつ順位を上げたかったのですが、残念ながら最後のステージでなぜかパンクを喫し、差が少し開いてしまったため明日の挽回はやや難しい状況になりました。それでも最後まで諦めるつもりはありません。ひとつ上の順位を目指し、明日も全力でアタックします。エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)とても楽しい1日でした。ヤリ-マティとの戦いは素晴らしく、あるステージでは私の方が速く、次のステージでは彼のほうが速く走るなど、午前も午後も良いバトルが続いていました。それだけに、ヤリ-マティのクルマに問題が起きる形で戦いが終わってしまったのは残念です。午後はクルマのフィーリングがとても良かったので、大きな自信を感じて走ることができました。ただし、自分たちよりも順位が上の選手とも、下の選手とも大きな差がついているので、明日はもうハードに攻める必要はありません。ラリー・イタリア サルディニア デイ3の結果1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) 3h02m16.9s2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +3.9s3 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ ヤリス WRC) +54.2s4 ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +2m01.8s5 マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン (シトロエン C3 WRC) +2m03.9s6 クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン (シトロエン C3 WRC) +3m13.6s7 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +10m41.4s8 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +10m48.3s9 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリスWRC) +12m27.4s10 マルティン・プロコップ/ヤン・トマネク(フォード フィエスタ RS WRC) +13m02.1s