FIA世界選手権第6戦の上海6時間レースの予選、トヨタ・レーシングはかつてないほどの接戦を繰り広げたが、惜しくもポールポジションを逃した。ドライバーズ選手権でトップを走っているTS040 HYBRID 8号車のアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの二人は、ポルシェ14号車と4周平均で1000分の1秒まで全く同じトップタイムを記録したが、同タイムの場合、先にベストラップを記録した方を優位とするため、2番手からのスタートとなった。
7号車をステファン・サラザンと共に駆るアレックス・ブルツと中嶋一貴は、トップから0.234秒差の平均タイムをマークし、2列目4番手から決勝スタートを切る。予選は降雨が心配される中、少々の雨粒はあったが、過去の2シーズン、上海で2度ポールポジションを獲っている7号車のブルツと、8号車のデビッドソンは、コースがまだ乾いている内にスリックタイヤでセッションをスタートした。2台のTS040 HYBRIDは予選開始からコンスタントにタイムを刻み、ポールポジション獲得に向けて周回を重ねた。ブエミに交替した時点での8号車の順位は3番手、中嶋がブルツからドライブを引き継いだ時点で7号車は4番手だった。中嶋は3周のタイムアタックを終え、セッション終了間際までピットレーンで待機しつつ、結局4番手のグリッドに落ち着いた。予選では2人のドライバーが最低2周、合計4周のタイムアタックをこなす必要があり、それぞれのドライバーが記録した最速2周の平均タイムの合計でグリッド順位が決められる。チェッカーフラッグが振られ予選が終了した時点で、8号車はポルシェ14号車と全く同じ平均タイムを記録していた。しかし、4周の平均タイムで、ベストラップを先に記録した方を優位とする規則のため、8号車は、残念ながらポールポジション獲得とはならず、最前列2番手からのスタートとなった。明日2日(日)の決勝レースは、現地時間午前11時(日本時間正午)に6時間のスタートが切られる。TS040 HYBRID 7号車:(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴)公式練習3回目: 3番手(1分48秒859) 24周予選:  4番手(平均1分48秒534)アレックス・ブルツ:僅かコンマ数秒届かず4番手となってしまいましたが、重要なのは決勝レースです。レースは6時間と長丁場ですし、上位争いは僅差の戦いとなるはずです。予選のスタート直前に弱い雨がありましたが、コース路面は問題なく、TS040 HYBRIDの感触も悪くありませんでした。我々は決勝レースのために、それぞれ最低限のアタックラップでタイヤを温存するという判断を下しました。中嶋一貴:我々にとっては良い予選でした。セットアップの面で進歩を遂げられたと考えており、TS040 HYBRIDには満足しています。もう少しタイムを詰めることも出来たと思うので、その面では若干残念なところもありますが、その分も明日巻き返します。決勝レースでの我々の競争力は高いと思いますので、良いバトルが出来ることを楽しみにしています。TS040 HYBRID 8号車:(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ)公式練習3回目: 2番手(1分48秒417) 23周予選:  2番手(平均1分48秒300)アンソニー・デビッドソン:4周平均で全く同タイムという結果となり、ポールポジションを逃したのは残念ですが、彼らの1周目は驚くべきタイムでした。我々にとっては今季最高の予選とは言えませんでしたが、そこから学ぶこともあると思います。いくつかの理由で1周目はグリップを得るのに苦戦し、スピードも足りませんでした。そのため、平均ラップを向上させるために、追加のアタックラップを走ることになりました。全体的に見れば、我々はタイムを向上させましたが、それ以上にライバルが頑張ったと言うことです。彼らはポールポジションにふさわしい走りでした。明日は良いレースが出来そうです。セバスチャン・ブエミ:もちろん、ポールポジションを逃したのは残念です。信じられないほどの接近戦でしたが、ライバルのポルシェを祝福したいと思います。ポールポジション獲得のボーナスポイントは欲しかったですが、僅か1ポイント差です。明日の決勝レースはもっと多くのポイントを獲得出来る場として、そこに集中します。我々は良い状況にあると思っています。
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