FIA世界耐久選手権(WEC)第1戦セブリング1000マイルレースの予選が3月17日(木)、米国フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われ、厳しい戦いとなったTOYOTA GAZOO Racingの2台のGR010 HYBRIDは、4番手、7番手グリッドから明日の決勝レースに臨むこととなった。この開幕戦に向け変更された性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス)の影響は、赤旗で短縮された予選の結果に明瞭に表れた。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3名が駆るGR010 HYBRID 8号車は、ハートレーが予選アタックを担当し、1分49秒217のタイムで総合4番手。マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はロペスのアタックで7番手のタイムに終わった。予選はチェッカーを目前にしたところでLMP2車両がクラッシュし、赤旗が出されてそのまま終了。このためアタックに入っていた2台のGR010 HYBRIDは更なるタイム更新のチャンスを失い、ライバルとなるアルピーヌがポールポジション、グリッケンハウスが2番手で続き、LMP2車両が総合3番手に入った。GR010 HYBRIDは昨年、6戦中5度のポールポジションを獲得しているが、今大会、前輪を電動モーターで駆動する4輪駆動モードの作動速度が性能調整により制限されたこともあり、6度目を目指したポールポジションへの戦いは厳しくなることが予想されていた。しかしながら、ロペスとハートレーは、米国耐久レース生誕の地であるセブリングで、沈みゆく夕日に照らされながら行われた予選セッションを、ひとつでも上位からのスタートを目指し全力で戦った。ハートレーはコースインして最初のアタックラップで自身最速タイムをマーク。その後も2周にわたってアタックを続け、チェッカー目前のラップでは第1セクターでタイムを更新し順位アップの期待がかかったが、セッション終了直前にLMP2車両がクラッシュしたことで出された赤旗により、その望みは叶わず4番手に留まった。ロペスはセッション開始からしばらく待機してコースインしたが、アタック1周目ではコース上の混雑に阻まれタイムをロス。その後の周回でタイムを更新していった、最後のアタックラップが赤旗で阻まれ7番手に終わった。トヨタにとっては残念な予選となったが、チームは明日18日(金)に8時間の長丁場として行われる決勝レースでの戦略を最適化することに意識を切り替え、GR010 HYBRIDでの7戦連続勝利を目指す。ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)最後のラップはかなり上手く行き、コンマ5秒ほど速かったと思ったのですが、赤旗が出てしまいました。赤旗がなければもっと上位のグリッド、恐らくトップ4には入れたと思いますが、結果としてはそんなに変わりません。ポールポジション争いには加われませんでしたが、ダメージは最小限だったと思います。決勝レースは長いので、クリーンなレースをすることに集中します。上手く行けば表彰台か、更なる結果も狙えるかも知れません。ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)あまりグリップが得られず、スライドしてしまって難しい予選でした。最終コーナーで速度を出し過ぎ、コンマ何秒か失いましたが、それ以外はクリーンなアタックラップでした。とはいえポールポジションを狙うには足りませんでした。明日の決勝レースでは、とにかくできる限りクリーンなレースを戦わなくてはなりません。それこそが耐久レースであり、何が起こるか分からないので、戦い続けます。WEC第1戦セブリング1000マイル 公式予選結果(総合順位) 順位No.ドライバー名チーム/車種ベストタイム 136アンドレ・ネグラオニコラス・ラピエールマシュー・バキシビエール アルピーヌ・エルフ・チーム/アルピーヌ A480-Gibson 1:47.407 2708オリビエ・プラロマン・デュマライアン・ブリスコー グリッケンハウス・レーシング/グリッケンハウス 007 LMH 1:48.741 383フランソワ・ペロードニクラス・ニールセンアレッシオ・ロベラ AFコルセ/Oreca 07-Gibson 1:49.014 48セバスチャン・ブエミブレンドン・ハートレー平川亮 TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:49.217 522フィリップ・ハンソンフィリペ・アルバカーキウィリアム・オーウェン ユナイテッド・オートスポーツUSA/Oreca 07-Gibson 1:49.388 77マイク・コンウェイ小林可夢偉ホセ・マリア・ロペス TOYOTA GAZOO Racing/トヨタ GR010 HYBRID 1:49.581
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