トロロッソ・ホンダは、F1フランスGP初日のフリー走行で、母国GPのピエール・ガスリーがP1で8番手、P2で10番手とトップ10入り、ブレンドン・ハートレーは両方のセッションで15番手だった。シーズン第8戦となるフランスGPが、ポール・リカール・サーキットで開催された。フランスGPは2008年以来10年ぶり、ポール・リカールでのF1GPは1990年以来28年ぶりとなる。
ミストラルと呼ばれる長いストレートにシケインが追加されたが、コースレイアウトに大きな変更はなく、ストレートを主体としたパワーサーキットであることが特徴。また、今年初めに路面の改修が行われ、グリップレベルが変わったこともポイントの一つとなっている。快晴の下、初日の金曜日はプラクティス1、プラクティス2が行われた。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーにとって母国GPとなるフランスGPに、チームは強い意気込みを持って臨んでいる。正午、気温25℃で迎えたプラクティス1では、ガスリー、ハートレーともにスーパーソフトタイヤによる走行を行った。前戦より投入されたニュースペックのパワーユニットやマシンのセッティングのプログラムを順調に消化。ガスリーは1分33秒685のタイムで8番手、ハートレーは1分34秒664で15番手となっている。日差しも強く、気温29℃、路面温度は51℃に上昇したコンディションで、午後4時にプラクティス2が始まった。序盤、ガスリーとハートレーは、ウルトラソフトタイヤでのアタックシミュレーションを行い、ガスリーが1分34秒535、ハートレーが1分35秒697をマーク。その後、ガスリーはスーパーソフトタイヤで、ハートレーはウルトラソフトタイヤでロングランを行い、周回を重ねセッティングを進めた。セッション終盤、ハートレーが、パワーユニットのトラブルでコース上にストップ。チームは明日の予選に向けて、原因究明と対策を行う。プラクティス2ではガスリーが10番手、ハートレーが15番手でセッションを終了した。パワーユニットとしては、ストレートが長く、低速コーナーも多いコースに対応したエネルギーマネージメントの調整と、ドライバビリティーの調整を中心にプログラムを消化している。フランスGPは23日(土)、午後1時(日本時間日午後8時)よりプラクティス3、午後4時(日本時間午後11時)より予選が行われる。ピエール・ガスリー「初のF1フル参戦シーズンで母国GPの初日を走ることが出来て、いい気分でした。FP1で8番手、FP2で10番手というのはポジティブなスタートですし、いいペースで走れていると思います。まだまだいいパフォーマンスが出来ると思っているので、明日はもっとペースを上げられるように頑張ります。今日の前半は風が強く、セッションの合間で風向きが変わるとても難しいコンディションで、正しいセッティングを見つけるのが大変でした。正しいセッティングを見つけられたと思いますし、予選でいい結果を出して、母国GPを素晴らしいものにしたいです」ブレンドン・ハートレー「FP2の最後にパワーユニットに不具合が起こり、フランスGPの初日は残念な終わり方になりました。パワーユニットトラブルの原因はまだはっきりと分かりませんが、走行を終了させなければなりませんでした。何が原因だったのか、これからチームスタッフが究明する必要があります。しかし、その前までは比較的順調な1日だったと思います。2台ともいいペースで走れていましたし、ピエールはFP2でスーパーソフトタイヤでいいラップタイムを出しました。マシンにポテンシャルはありますし、明日全ての力を出し切れるように今夜は夜を徹した作業を行います」ジョナサン・エドルズ (トロロッソ チーフエンジニア)「F1カレンダーに新しく加わったサーキットに来るのはいつも気分が高揚しますし、10年ぶりにフランスに戻ってこれてうれしいです。新しいサーキットなのでファエンツァ、ビスター、ミルトンキーンズ、さくらの各ファクトリーでの入念な準備が必要でした。午前のセッションでは、シミュレーションと実際のサーキットの違いにより、最適なエネルギーマネージメントを行えず、タイムを少しロスしましたが、 チームスタッフの作業によってセッション中にコースに戻ることが出来ました。しかし運悪くガレージの電源が落ちてしまい、距離測定器やタイム測定器はもちろん、無線も使うことが出来なくなりました。したがってレギュレーションで定められた40分の走行時間上限を終えてもドライバーにピットに戻るように伝えることが出来ませんでした。ブレンドンは運よく戻ってきましたが、ピエールはタイムアタックに入っていて戻ることが出来ずに、ペナルティーを負うことになりました。それ以降は多くの周回をこなし、普段よりも多くのプログラムを行うことが出来て、いいセッションになりました。事前にシミュレーションを数多く行いましたが、実際のサーキットではトラック温度や風など、さまざまな違いがありました。したがって、FP1は最適なセッティングを探ることに注力しました。FP2ではマシンにさらなるセッティングを試みましたが、風向きが午前から180°変わったため、向かい風が追い風になるなど、バランスがまったく変わることになりました。しかし、日曜にも同じような風が吹くことが予想されるので、日曜の予習が出来たという意味ではよかったです。タイヤマネージメントでは、ブレンドンはロングランでハードタイヤを選択したので、マシンのポテンシャルを最大限出し切ることは出来ませんでした。一方のピエールは、基本走行をスーパーソフトタイヤで行い、ウルトラソフトに履き替えたので、マシンの力をより引き出すことが出来て、いいラップタイムを記録しました。ブレンドンがセッションを途中で終えることになったパワーユニットの不具合は、原因を究明中です。彼はソフトタイヤを履いて走り始めたところで、ソフトタイヤに対する理解を十分に深めないまま日曜の決勝で走らなければなりません。タイヤに対する理解が足りなくはなりますが、それほど大きな問題にはならないでしょう。今日のデータを分析して、日曜のレースには最善の戦略で臨みたいです」田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「ここポール・リカール・サーキットでの初日でまず確認すべきことは、事前に行ってきたシミュレーションと実際の走行データとの相関が取れているかどうかについてでした。午前は初走行ということもあり、パワーユニットとしてはエネルギーマネージメントの最適化に時間を費やしています。ここから...
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