マクラーレンのランド・ノリスがメキシコシティGPでポール・トゥ・ウィンを達成し、圧倒的な強さで優勝。2位に30秒差をつける完勝劇でドライバーズ選手権首位を奪還した。最新のF1パワーランキングでもトップ評価を受け、シーズン終盤戦へ向けて勢いを取り戻している。一方、ハースF1チームのルーキー、オリバー・ベアマンも9番グリッドからの快走で4位フィニッシュを果たし、チーム史上最高位タイの成績を記録。審査員団から高い評価を得て、ランキング上位に躍進した。
評価方法5名の審査員が各グランプリ後に全ドライバーの週末パフォーマンスを10点満点で採点し、マシン性能の要素を排除した上で評価する。審査員のスコアは平均化されてレースごとのスコアとなり、その合計がシーズンを通じた総合パワーランキングの順位(ページ下部に掲載)を形成する。ノリスはアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで圧倒的な走りを見せた。予選では見事なラップでポールポジションを獲得し、決勝ではスタートでライバル勢を抑えると、その後は終始トップを快走。最終的に2位に30秒もの大差をつけてゴールし、ドライバーズ選手権の首位を奪還した。審査員たちはオリバー・ベアマンの走りにも同様に感銘を受けた。ハースのドライバーはスタートで9番グリッドから順位を上げ、マックス・フェルスタッペンを抜く鮮やかなオーバーテイクでP4へ浮上。惜しくもデビューポディウムは逃したが、最終結果はチーム史上最高位タイとなった。シャルル・ルクレールはP2スタートから好発進を決め、ターン1では4台が首位を争う混戦の一角を担った。レースの大半を2番手で走行し、終盤はフェルスタッペンからのプレッシャーを巧みに抑えて2戦連続の表彰台を獲得した(前週オースティンに続く快挙)。フェルスタッペンにとっては波乱のメキシコGPとなった。スタート直後、ノリス、ルクレール、ルイス・ハミルトンと4ワイドになり芝生をかすめる場面も。ミディアムタイヤでの第1スティントは苦戦したが、第2スティントでソフトに替えるとペースを取り戻し、最終的に3位フィニッシュでタイトル争いに踏みとどまった。P11からスタートしたエステバン・オコンは、トラブルを避けて堅実な走りを見せた。最終的に9位でフィニッシュし、ハースにダブル入賞をもたらしてチームのコンストラクターズ中団争いに貢献した。ニコ・ヒュルケンベルグがパワーユニットトラブルで序盤にリタイアするなか、ガブリエル・ボルトレトがキック・ザウバーに笑顔をもたらした。ブラジル人ルーキーは16番手からスタートして懸命にポジションを上げ、レーシングブルズのアイザック・ハジャーを抑えて最後の1ポイントを手にした。メルセデスにとっては厳しい週末で、チームはコンストラクターズランキング2位の座をフェラーリに明け渡した。それでもアンドレア・キミ・アントネッリは好調を維持。ピットストップの遅れでマクラーレンのオスカー・ピアストリにポジションを譲ったものの、堅実に6位でフィニッシュした。フェルスタッペンとの初期のバトルでコース外走行によるアドバンテージ獲得とみなされ、ハミルトンには10秒加算ペナルティが科された。それでも7度のワールドチャンピオンは粘り強い追い上げを見せ、8位でフィニッシュして貴重なポイントを獲得した。ジョージ・ラッセルはメキシコで厳しいレースを強いられ、レース中には苛立ちをあらわにする無線もあった。一時はベアマンを追いかけたが捕まえることはできず、最終的に7位でフィニッシュしてメルセデスにポイントをもたらした。オースティンから持ち越された5グリッド降格ペナルティにより、カルロス・サインツJr.はP12スタートを強いられ、オープニングラップでは中団の混戦に巻き込まれた。接触による軽いダメージを負いながらも一時はトップ10に浮上。しかしピットレーン速度超過の2度のペナルティ(損傷によるピットリミッター不具合が原因)とスピンでリタイアに終わった。それでもウィリアムズは序盤のペースに手応えを得たとして前向きに捉えている。惜しくもランク外オスカー・ピアストリはパワーランキングのトップ10入りをわずかに逃した。序盤にポジションを落としたものの、そこから粘り強く追い上げ、最終的に5位でフィニッシュした。
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