フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2024年F1第3戦オーストラリアGP決勝で、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がクラッシュする前のドライビングが「潜在的に危険」だったとスチュワードに判断され、20秒のタイムペナルティを科された。その結果、角田裕毅(RB)は7位に昇格した。ラッセルはレース終盤、よりフレッシュなタイヤでアロンソを追い詰め、最終ラップのターン6/7複合コーナーで比較的動きの遅いアロンソの後方に接近し、その後、コントロールを失ってバリアに激突した。
レース後、スチュワードはアロンソにドライブスルーペナルティ(20秒換算)を科し、アロンソは8位に降格。チームメイトのランス・ストロールが6位、RBの角田裕毅7位に昇格した。レース直後、ラッセルは 「正直、何が起こったのかわからない。コーナーの進入でフェルナンドから0.5秒遅れていたんだけど、突然、エイペックスの手前で彼のギアボックスの真上に来て、マシンを失ってはらんでしまった」と語っていた。元F1ドライバーのジョニー・ハーバートも参加したスチュワード委員会は、長文の文書でアロンソにペナルティを科した理由を説明した。「アロンソはスチュワードに対し、ターン6へのアプローチの仕方を変え、より早く、より少ないスピードでコーナーに進入し、より良い立ち上がりを得るつもりだったと説明している」とスチュワードの報告書には書かれている。「ラッセルはスチュワードに対し、彼の観点からするとアロンソの操縦が不安定で不意を突かれ、異例の速さで距離を縮め、その結果コーナー頂点でダウンフォースが低下したためコントロールを失い出口でクラッシュしたと説明した。 マシン同士の接触はなかった」「テレメトリーによると、アロンソはレース中にあのコーナーに進入したときよりも100メートル以上早くリフトした。また、アロンソは普段ブレーキをかけないポイントでごくわずかにブレーキをかけ(ただし、その量はごくわずかで、マシンが減速した主な理由ではない)、普段はシフトダウンしないポイントでシフトダウンした。そして再びシフトアップし、コーナーに向かって加速した後、再び持ち上げてコーナーに進入した」「アロンソは、早めに減速する予定だったが、それをわずかに間違えてしまい、スピードに戻るために余計なステップを踏まなければならなかったと説明した。それにもかかわらず、この操作によってマシン間にかなりの異常な接近速度が生じた」「この問題を検討するにあたり、スチュワードはレギュレーションの文言だけに注目した。クルマはいかなる時も不必要に遅く、不規則に、あるいは他のドライバーや他のいかなる人に対しても潜在的に危険とみなされるような方法で運転してはならない」「特にこのケースでは、スチュワードはクラッシュしてしまった結果を考慮していない。さらにスチュワードは、アロンソの作戦がラッセルに問題を起こすことを意図したものなのか、それともスチュワードに述べたように単に出口を良くしようとしただけなのかを判断するのに十分な情報を持っていないと考えた」「アロンソにはコーナーへの別のアプローチを試す権利があるのか?そうだ。最終的に事故を引き起こしたダーティーエアの責任はアロンソにあるのか?いいえ」「しかし、アロンソがどのような意図であれ、それまでよりも100メートル以上早く、コーナーに向けて減速するために必要だったよりもはるかに早く、リフトアップ、ブレーキング、シフトダウン、その他すべての操作を行ったのか?そう、彼自身の説明によれば、彼はそうしたのだ」スチュワードの見解では、彼はこれらのことを行うことで、トラックのあの地点が非常に高速であることを考えると、少なくとも "潜在的に危険 "な運転をしていたことになる。「今シーズン、FIAフォーミュラ1のペナルティガイドラインは、今回の違反も含めてリセットされ、10秒ペナルティのベースラインに引き上げられた。さらに、状況が悪化した場合はドライブスルーペナルティも検討する」「このケースでは、アロンソが単純なミスとは対照的に、この時点で異常な操作を積極的に選択したことが加重状況にあたると考えている」ドライブスルーに加えて、アロンソにはライセンスに3点のペナルティポイントが科された。