レッドブル・ホンダF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、メルセデスがF1オーストラリアGPで“エンジンを供給しない”ことでカスタマーチームに反対票を投じすることを強制したと明かした。F1オーストラリアGPでF1チームがレースを続行するか否かの評決をした際、メルセデスが土壇場で反対側に回ったことはすでに知られている。
F1はシーズン開幕戦のためにオーストラリアに向かったが、マクラーレンはチームメンバーに新型コロナウイルスの感染者が出たことでレースから撤退うすることを決定。パドックは混乱に巻き込まれた。残りのチームは、レースを続行するかどうかを投票するために集まった。当初、メルセデスのF1チーム代表であるトト・ヴォルフは参戦票を投じていたが、数時間後、メルセデスの親会社であるダイムラーのオラ・ケレニウス会長と話し合った後、反対側に意見を変えた。また、トト・ヴォルフは、メルセデスのカスタマーであるレーシング・ポイントとウィリアムズにエンジンを供給することを拒否した。それによって反対票が過半数を占めた。クリスチャン・ホーナーは、レッドブルとしてはレースをすることを望んでおり、少なくとも金曜日のプラクティスを実施して、状況がどのように転じるかを見極めたいと思っていたことを確認した。「当時、いろいろな事実をすべて知っていたわけではなかったし、パドックで働いている何千人もの人々からの一人から陽線反応が出たことでかなり神経質になっていた」とクリスチャン・ホーナーはレッドブルのウェブサイトに語った。「クラウンホテルで会議を開催し、F1のマネージングディレクター、ロス・ブラウンに参加してもらった。彼は、FIAのレースディレクター、マイケル・マシを連れてきた」「当局はイベントの開催に満足しており、我々の多くがそうであったように、金曜日は計画どおりに実施し、定期的に状況を再評価することを提案した」「人々が症状を示した場合、彼らは検査を受けていただろう。彼らは非常に迅速に症状が変化していたからね。さらに感染者が出た場合には続行するかどうかを決定しただろう。だが、少なくともイベントはスタートさせることになっていた」「マクラーレンが撤退を決定したのは、彼らには状況に応じて決断するすべての権利を有していた。だが、1つのチームが撤退した場合、他のチームも同じことをしなければならないというルールはない」「当時のガイダンスと、同じ週末にオーストラリアで他のスポーツイベントが開催されていたという事実を踏まえ、チーム間で票が割れ、陽性反応が1件しかなかったので、私は走ることを強く求めた」「ロスはFIAの会長であるジャン・トッドに電話をかけ、彼は多数派の意見に従うといったので、最終的な投票権を持っていたのはロスだった」「彼は、さらにテストを行って24時間以内に状況を評価することに同意し、彼もイベントを進行させたいとも述べていた。私は、政府と医療当局がレースを進めるのは安全だと感じたら、レースチームとしてレースをする準備はできていると感じていた」「しかし、会議が終了した直後、午前3時頃にロスから電話があった。メルセデスが立場を変えたため、少し問題があったと言っていた。また、それは彼らがカスタマーにエンジンを供給しないことも意味していた」「それが状況を一変させ、最終的な結果は変化した。結果としてF1はイベントをキャンセルするしかなかった」