マーカス・エリクソンがインディカーを初テスト。“少し人工的”だった表現するF1マシンからの転向に“レースへの情熱が蘇っていた”と語った。2018年限りでザウバーのF1シートを失ったマーカス・エリクソンは、2019年にシミュミット・ピーターソン・モータースポーツ(SPM)からインディカーにフル参戦することが決定している。
F1最終戦アブダビGPから9日後の12月4日(火)、マーカス・エリクソンはセブリングでホンダのエンジンを搭載するSPMのマシンで初走行を行った。「自分がレースに恋に落ちた理由が蘇ってくるような感覚だった」と初走行を終えたマーカス・エリクソンはコメント。「F1はどうなってもF1だよね? でも、ある意味で少し人工的だ。常にその完璧な場所に向かっていくけど、それはレースではないと言える。これは僕にレースの情熱を取り戻させてくれる」同じ場所でテストを行っていたペンスキーのマシンを見ていたマーカス・エリクソンは「生でこのクルマを見るのは初めてだった」とコメント。「他のドライバーが出ていくのを見るのはクールだったね。クルマは本当にかっこいい。このテストに備えてインターネットで多くの動画を見てきた。今日はペンキーもここにいるし、僕にとっては完璧なスポーットだね」今年、マーカス・エリクソンは、ザウバーでF1キャリアでもベストと言えるシーズンを過ごしたが、チームはキミ・ライコネンとルーキーのアントニオ・ジョビナッツィを起用することを決定。エリクソンはインディカーでの活動と並行して、リザーブドライバーとしてザウバーとの繋がりを維持している。マーカス・エリクソンは、F1で得た知識をインディカーでも生かすことができると考えているが、インディカーでのドライビングでは多くの作業が必要だと認める。「ドライバーとしてこのクルマに取り組まなければならないことは本当にたくさんある」とマーカス・エリクソンはコメント。「F1は常に完璧からスタートするけど、ここでは自分のクルマに対処して完璧に仕上げていかなければならない。ドライバーがやらなければならない仕事ははるかに多い。そこが最大の違いだ」「僕のF1での経験がチームを前進するための手助けになることは間違いないとは思うけど、チームは本当にレベルが高いと思う。彼らの仕事のやり方やテスト前に彼らが準備してくれたセットアップ面などいろんなことに感銘を受けた。かなり印象的だった」SPMのセネラルマネージャーを務めるテイラー・キールは、マーカス・エリクソンが新しいインディカーの環境にいかに迅速に対応しているかに感銘を受けたとし、すでにエリクソンは“急速”な学習曲線にむけてすでに準備が整っていると考えている。「今回のテストにおける彼の見通しには本当に感銘を受けている」とテイラー・キールはコメント。「ドライバーにとって、テストにやってきて、ラップタイムの集中しないことは難しいことだ。ただクルマに乗り、理解しなければならないが、そのニュアンスを理解するだけでも本当に時間がかかるものだ」「ピットレーンに入ってくる方法、ピットレーンいるときにどうすればいいか、ピットレーンを離れるときにどうすればいいか。彼にはコース上でいろんなことが求められる。彼はそでに非常に迅速に対応していた」「素人目には、このクルマはF1に似ているように見えるかもしれないが、まったく異なる動物だ。インディカーにはパワーステアリングはないし、ダウンフォースも少なく、ダウンフォースと組み合わせたブレーキもそれほど優れてはいない」「多くのことに慣れる必要があるし、それが彼が取り組んでいることだ。ここまではかなりいい感じだ。急激な学習曲線になるだろうが、彼はメンタル的にそれに取り組むための準備が十分にできている」マーカス・エリクソンは、来年にもSMPレーシングと別のテストが予定されており、3月10日にセントピーターズバーグで2019年のインディカー・シリーズ開幕戦を迎える。