ホンダF1とレッドブルとのパートナーシップは、2017年にシルバーストン・サーキットの近くにあるマクドナルドでの密談からスタートした。2015年にマクラーレンのパートナーとしてF1に復帰したホンダだが、その関係は崩壊し、2017年の9月にパートナーシップの解消が発表された。
マクラーレンは、トロロッソのルノーのF1エンジン供給枠を確保するために、ホンダF1にトロロッソへのF1エンジン供給をもちかけた。しかし、それ以前にホンダF1とレッドブルとの話し合いは行われていた。ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は、レッドブルとの交渉はシルバーストン・サーキット近くのマクドナルドでスタートしたことを『2019 ホンダF1 キックオフミーティング』の場で明らかにしている。「皆さんご存じのように2017年のモンツァでフランツ(トスト/アルファタウリ代表)さんと来年一緒にやっていきましょうという話を初めてしました。その前にはちょこちょこバックヤードで話はしていたんですけどね」と山本雅史は語る。「私は本当にレッドブルとトロロッソが好きなんです。ひとつは勝ちにこだわって強いチームでやっていくには2チーム体制、4台体制でやっていく必要があるということで、実はヘルムート・マルコさんとは2017年のシルバーストンのサーキットの手前にあるマクドナルドで密談をしました」「こんなにもフランクな方で、ピュアにモータースポーツを愛していて、モータースポーツのことだけ話をしました。実は前の日に関係者に絶対にバレないからマクドナルドでミーティングしようと言われまして。本当に誰も来ないのかなと思ったら、マルコさんのファンがいっぱいいましたけどね。流石に関係者は誰もいませんでした。面白いエピソードです」レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは「サーキットに一番近いマクドナルドということでほとんど関係者は来ないだろうから、そこで会おうという約束をした。制服ではなく私服でこっそりと会いましょうとね。二人とも普段マクドナルドにいかないので、コーヒーのカップも開けられなくて悩んでいたくらいだった。そこで非常に親密な話をした」とコメント。「レッドブル・レーシングは4年間チャンピオンシップを獲得した非常に成功したチームだ。途中でレギュレーションが変わって、パワーユニットが非常に複雑になり、当時のサプライヤーがこれからはなかなか勝つことができないと思うと正直に話をしてきた。そうなると我々も考えなければならない。これから勝っていくための素晴らしいサプライヤーを探したいということでホンダにアプローチした。ホンダはたくさんの勝利とチャンピオンをシップを獲得した大変信頼できるマニュファクチャラーだ。そこから親密な話し合いが始まった」「そのなかでもまずは1年間トロロッソに供給して様子を見ようと言う約束をした。そして素晴らしいシーズンを終えて、絶対にうまくいくということで、今年レッドブルと2チーム・4台体制で行くことに決まった」
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