ホンダは、2016年シーズンにむけて“サイズゼロ”コンセプトによるコンパクトなエンジンを維持しながらも、昨年より大きなターボチャージャーを組み込むことに取り組んでいる。昨年、ホンダは、エネルギー回生システム(ERS)のデブロイメント問題だけでなく、スプリットターボのデザインの問題にも悩まされた。
メルセデスが採用するスプリットターボとは異なり、ホンダはシリンダーバンク内のコンプレッサーのレイアウトをコンパクト化することを選んだ。ホンダは、マクラーレンが掲げる“サイズゼロ”コンプトを実現するためにタービンとコンプレッサーを小型化した。だが、これによってタービンとコンプレッサーから生み出されるパワーが低くなり、それが内燃エンジン(ICE)にも影響。結果として、MGU-Hがタービンから吸収できるパワーが減り、MGU-Kを補うバッテリーを充電する能力が低下した。ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める新井康久は「サイズが非効率性につながっていました」とコメント。「サイズが小さいため、エンジンが高圧の空気を必要としました。それによって回転数が制限されました」大きなターボを設置するということは、コンプレッサーが配置されているエンジンの“V”パートのレイアウトを変えることになるのかとの質問には「そこまで大きな変更はありません。引き続きコンパクトなレイアウトを維持しますが、ターボチャージャーのサイズを大きくする必要があるのはわかっています。コンセプトはキープしますが、キャンバー内部を変えるか、どこかのパートを小さくすることが大きな目標です」と新井康久は述べた。新井康久は、F1復帰にあたって、2015年にすぐにでも表彰台に挑戦するというあまりにも高い目標を掲げたためにホンダは自らを苦しめることになったと認める。「(2015年の)冬季テストまで、私は表彰台について話していましたよね。みんなが私はビッグマウスだと言っていますよ! 表彰台に着けることを願っていますが、今はそれがいつで、どのレースになるかは言えません。私だけでなく、全員が良いポジションにいることを願っています。なので、最初のステップはQ3に到達することです。それが最初の一歩です」
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