元F1ドライバーのロマン・グロージャンは、ルイス・ハミルトンが昨年のハースF1のマシンを運転していれば、“ポイントを争うことができなかった”と主張する。7回のF1ワールドチャンピオンを獲得しているルイス・ハミルトンだが、その成功の理由は彼の実力ではなく、圧倒的な強さを誇るメルセデスF1のマシンによるものだという意見の対象となることが多い。
それはF1にとって新しい議論ではないが、昨年のF1サヒールGPで新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役として、ウィリアムズで後方争いを展開していたジョージ・ラッセルがメルセデスのF1マシンで優勝争いを展開したことでその理論はさらに強化された。最終的に9位でフィニッシュしたジョージ・ラッセルだが、予選ではチームメイトのバルテリ・ボッタスに僅差の2番グリッドを獲得し、レースでも序盤からリードを広げ、メルセデスのピットでのタイヤ選択ミスとパンクがなければ優勝も見えていた。ジョージ・ラッセルのパフォーマンスは、マシン自体が仕事の大部分を担っていることを多くの人々に証明した。昨年までハースF1のドライバーを務めたロマン・グロージャンもその見解に同意する。「ハミルトンが昨年のハースのF1マシンに乗っていれば、ポイントすら争うことができなかっただろう。多くはドライブするマシンに依存する。そのため、ドライバーを相互に比較することは困難だ」とロマン・グロージャンは RacingNews365 にコメント。「僕の意見では、例えば、(シャルル)ルクレールも2020年は良いシーズンを過ごしたけど、彼のマシンは十分に良くなかったため、あまり結果を出すことができなかった。おそらくラッセルはマシンが最終的に違いを生むことを証明する最も明確な例だ」メルセデスF1のガレージでのミスは、誰もが勝利を争える可能性を提供した。それを掴んだのはセルジオ・ペレスだった。190戦目でF1初勝利を挙げたペレスは、その時点で2021年のシートが決定していなかった。レーシング・ポイント(後のアストンマーティン)はペレスに代えてセバスチャン・ベッテルの起用を決定していた。しかし、セルジオ・ペレスは実力でシートを獲得。レッドブル・ホンダのF1ドライバーとして新シーズンに臨む。ロマン・グロージャンはペレスの移籍が実現したことを喜んでいる。「彼がそこでチャンスを手にしたのは素晴らしいことだと思う。彼のためにとてもうれしく思っているし、彼がトップチームでうまくいくと確信している」「マクラーレンで過ごした後、トップチームでの彼の2回目のチャンスだけど、今は違う。彼は今、自分のカードをテーブルに置く準備ができている」ロマン・グロージャン自身の次の活動はまだ確認されていないが、インディカーチームのオーナーであるデイル・コイルは、グロージャンへの関心を公表している。