F1チームは、トリックサスペンションの合法性に関して合意に至ることができなかった。フェラーリのデザイナーであるシモン・レスタがFIAのレースディレクターであるチャーリー・ホワイティングにデバイスが空力パフォーマンスに影響をしているのではないかと問い合わせたことから、“プリロード・サスペンション”システムは論争となっている。
フェラーリは、メルセデスとレッドブルが昨年に使用したシステムが、コーナーや縁石上でのダウンフォースと安定性を向上させるためにライドハイトをコントロールするためのものだとみなしている。 FIAのF1レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、フェラーリが問い合わせたシステムが規約に違反している可能性が高いとの解答を行った。フェラーリは特にそのようなサスペンションの開発を進めているのではなく、ライバルチームが使用しているコンセプトが合法かどうかのガイダンスを求めたと考えられている。先週、FIAとテクニカルディレクターのミーティングが開催されて、該当するサスペンションについてさらなる議論が行われたとされているが、F1チーム間でそれを許可すべきかどうかのコンセンサスは得られなかったとされている。会議では、従来型のサスペンションに戻すこと、アクティブサスペンションへの切り替え、現在のハイドロリックシステムは規制しないなど、様々なアイデアが提案されたが、チームの意見はまとまらなかったという。2月27日(月)からバルセロナで開始される冬季テストが始まる前、チャーリー・ホワイティグから新たな技術指南書を発行する見込みであり、それによってこの議論がテスト中も続くかどうかが見えてくるようだ。だが、技術指南書は実際には勧告に過ぎず、レギュレーションの解釈はレーススチュワードに委ねられる。そのため、合意が取れない状態が続き、いずれかのチームから正式な抗議があれば、この議論は3月26日(日)の開幕戦F1オーストラリアGPまで続く可能性がある。