ニコ・ヒュルケンベルグとマッティア・ビノットの間に緊張感が走った――そんなパドック目撃談が、2026年F1マイアミGP後に波紋を広げている。F1 Oversteerによると、レース後のパドックでヒュルケンベルグとアウディF1責任者マッティア・ビノットが長時間にわたって話し込む姿が確認され、その様子について「友好的には見えなかった」と報じられた。ジョナサン・ウィートリーの突然の離脱に揺れるアウディF1にとって、苦しい週末の余波が内部にも広がっている可能性がある。
マイアミGPで相次いだトラブルアウディF1はシーズン序盤、ガブリエル・ボルトレトの入賞などで一定の競争力を示していた。予選でもQ2、時にはQ3進出を果たし、新規参戦チームとしては堅実なスタートを切っていた。しかし、4月のインターバル以降、チームの状況は急変した。ジョナサン・ウィートリーがビノットとの対立説が囁かれる中でチーム代表職を離れ、アストンマーティンへ移籍。後任にはアラン・マクニッシュが就任したが、元F1戦略エンジニアのバーニー・コリンズは「チームにとって非常に有害になる」と警鐘を鳴らしていた。その懸念は、マイアミで現実となった。ヒュルケンベルグはスプリントのグリッドへ向かう途中でマシンが炎上し、スタートできず。ボルトレトもスプリント失格に加え、予選でもマシン火災に見舞われた。決勝ではボルトレトが最後尾から12位まで挽回した一方、ヒュルケンベルグはわずか7周でメカニカルトラブルによりリタイアした。“友好的には見えなかった”会話ブラジル人ジャーナリストのジュリアン・セラソリは、自身のYouTubeチャンネルでパドックの雰囲気について次のように語った。「ヒュルケンベルグにとって本当に酷い週末だった。故障があり、決勝スタート直後には接触もあった」「レース後にビノットと長い会話をしているのを見たけど、友好的には見えなかった。言い争いをしているようには見えなかったけど、とても真剣な長い会話だった」アウディF1内部の緊張感を示唆するような証言だが、一方でセラソリはチーム自体の競争力については一定の評価を与えている。“ポイント圏内の速さ”はあったアウディセラソリは、マイアミ週末のアウディF1にはポイント争いをできるだけの速さがあったと分析している。「彼らのペースなら6番手付近、少なくともポイント争いはできていた」「もしガブリエルが普通に予選を走れて11番手か12番手からスタートしていたら、ポイント獲得の可能性は非常に高かったと思う」「ヒュルケンベルグも、スタート時の問題やリタイアがなければポイント争いに加わっていただろう」マイアミではアルピーヌが大きく改善し、ウィリアムズも重量問題を解消して戦闘力を上げてきた。一方でハースF1チームは苦戦していたことから、アウディF1陣営も“入賞のチャンスがある週末”と見ていたようだ。揺れるアウディF1プロジェクトアウディF1は2026年からの本格参戦プロジェクトとして進行しているが、開幕数戦ですでに不安定な側面が露呈し始めている。パワーユニット自体には一定のポテンシャルがあるとみられているものの、フェラーリやメルセデス勢との差は依然として存在する。さらに、チーム運営面ではウィートリー離脱による影響が避けられない状況だ。ビノットは長期プロジェクトとして冷静な姿勢を崩していないが、現場では結果を求めるドライバー側との温度差も出始めているのかもしれない。マイアミGP後に目撃された“長い会話”は、その現在地を象徴するシーンだった可能性がある。