キミ・アントネッリは、厳しい3連戦を経て見事に巻き返し、F1カナダGPで自身初の表彰台を獲得。メルセデスにとって理想的な週末を締めくくる一因となった。ルーキードライバーのアントネッリは、ヨーロッパラウンドの最近の3戦でソフトC6タイヤの扱いに苦しんでいたことを認めており、イモラでの母国GPとスペインGPではいずれもリタイア。モナコでは予選でクラッシュを喫し、3戦連続で1ポイントも獲得できていなかった。
しかし、W16はモントリオールの涼しいコンディションにはるかに適していたようで、ジョージ・ラッセルがポールポジションから勝利を決める中、アントネッリもフェルスタッペンのすぐ後ろで3位を獲得した。この結果は、オープニングラップでマクラーレンのオスカー・ピアストリをオーバーテイクして4番手から3番手に上がったことで実現。その後メルセデスは2ストップ戦略を採用し、終盤にピアストリからのプレッシャーを受けながらもポジションを守りきった。「ストレスがすごかったけど、すごく嬉しい」とレース後にアントネッリは語った。「スタートでP3に上がることができて、そこからはずっと前の方で走っていた」「最後のスティントでは、マックスの後ろで少しプッシュしすぎてしまって、フロント左をちょっとダメにしてしまった。終盤は苦しかったけど、表彰台を持ち帰れて本当に嬉しい」ピアストリを抜いたオープニングラップの動きについて聞かれると、次のように答えた。「スタートはうまく決まって、サイド・バイ・サイドになった。ターン1ではとにかくできるだけスピードを保とうとした」「ターン2で横に並んだ時点で、ターン3に向けて優位に立てると分かっていた。あの動きを決められてすごく満足してる」アントネッリはルーキーの中で最上位、63ポイントを獲得アントネッリを苦しめたC6ソフトタイヤは、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットではあまり人気のない選択肢となり、イエローのミディアムタイヤは1周のパフォーマンスでも良好で、レーススタート時には上位勢の主な選択肢となっていた。メルセデスの復調はタイヤ面にも表れた。アントネッリは以前、これまで走ったことのないサーキットでのドライビングが自信を高め、大きな進歩につながったと語っていた。とはいえ、チームメイトと同様に、カナダでのパフォーマンスを新たな標準とは断言しなかったが、今回の好結果を次戦以降につなげていけることへの期待は口にしている。次の目標は初優勝かと問われると、「それが目標だ」と答えた。「このサーキットは僕たちにとって本当に良かったし、今週末のクルマは素晴らしかった。この勢いを次の数戦に持ち込めるといい」
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