2022年シーズンの米国第2戦となるF1アメリカGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。このサーキットは米国初のF1対応サーキットとして広く知られているが、実はあまり知られていないトリビアも存在する。レッドブルがアメリカGPとCOTAにまつわる知られざるトリビアを5つ紹介した。
1.世界の名コーナーからインスピレーションを得ているCOTAのオリジナルレイアウトはプロモーターのタボ・ヘルムンドと1993シーズンのロードレース世界選手権王者ケビン・シュワンツによって考案されたが、のちにヘルマン・ティルケが招聘された。ティルケ招聘後、ヨーロッパを代表するサーキットの有名コーナー / セクションからインスピレーションを得たレイアウトが用意された。COTAには英国・シルバーストンの高速S字セクション “マゴッツ - ベケッツ - チャペル” に似たセクションが存在し、ホッケンハイムリンクのスタジアムセクションやインスタンブール・パークの強烈なターン8も取り入れられている。また、インテルラゴスのエス・ド・セナとエステルライヒリンク(現レッドブル・リンク)のセブリンク・アウスパフ・カーブの影響も確認できる。2.改修が繰り返されてきたCOTAは完成まで4ヶ月がかけられたが、地盤が軟らかいことから様々な調整が加えられてきたが、その結果、コース上にいくつものバンプが生まれてしまった。そのため、F1ドライバーたちはもちろん、特にMotoGPライダーたちから安全性についての不満の声が挙がり、2019年に改修と再舗装が行われることになった。改修と再舗装後にFIA世界耐久選手権が開催されると、改良されたという声が挙がった一方、問題は解決されていないという声も挙がり、再舗装されたセクションとされていないセクションでグリップレベルが異なるという不満も出た。これを受けてCOTAはコンサルタントを雇い入れてレイアウトの再確認と舗装が必要なセクションの洗い出しを行った。そして地中レーザー(GPR)とレーザーマッピングシステムでコース全体がスキャンされて改修が必要な部分が判明すると、ターン12から16までが再舗装され、ターン2とターン10が改修された。また、再舗装されたアスファルトとコンクリートが平坦になるように徹底された。3.ターン1は世界最高コーナーのひとつCOTAへの大口投資を行った企業家レッド・マコームスにちなんで “ビッグレッド” と呼ばれているターン1はF1屈指のエキサイティングなコーナーとして有名だ。スタート / フィニッシュラインからこの1速で進入するタイトなブラインド左コーナーまでは標高差133フィート(約40m)の上り坂になっており、オーバーテイクポイントとしても機能する。4.レッドブルが最初COTAがまだ建造中だった2011年、デビッド・クルサードがRB7で敷地内のグラベルとダートの上を走行した。5.10番目の開催地2022シーズンにアメリカGPは51回目の開催を迎えるが、COTAが使用されているのは2012シーズンからで、それまでは他のサーキットで開催されていた。アメリカGPは1908年にジョージア州サバンナの公道レースとして初開催されたあと、ウィスコンシン州ミルウォーキーで再び公道レースとして開催され、続いてカリフォルニア州サンタモニカ、同州サンフランシスコで開催された。その後、1958年のリバーサイド・インターナショナル・レースウェイでレース専用サーキットでの初開催を迎えると、翌1959年にフロリダ州セブリング・インターナショナル・レースウェイでの開催を経て1960年に再びリバーサイド・インターナショナル・レースウェイで開催された。1961年から1980年まではニューヨーク州ワトキンズグレン・インターナショナル・レースウェイで開催され、その後3年間はフェニックス市街地コースが使用された。このあとアメリカGPはしばらく開催されなかったが、2000年から2007年までインディアナポリス・モーター・スピードウェイで復活。再中断を経て2012年からCOTAで再復活した。