44歳になった今も、フェルナンド・アロンソに衰えの兆しは見られない。シーズン最終戦アブダビGP後、マシンを降りた直後の何気ない問いかけに対し、アロンソは一切の迷いなく「優勝だ」と答えた。その言葉は、今なお頂点を見据える現在地を端的に示していた。情熱もフィジカルも、まだ限界には達していない。ただし、残された時間が無限でないことも事実だ。
だからこそ必要なのは、彼の野心に見合うF1マシン。その一瞬の即答には、キャリア終盤を迎えたアロンソが託した“時間”と“可能性”が凝縮されていた。衰えの兆しはないと語るデ・ラ・ロサデ・ラ・ロサは、フェルナンド・アロンソに衰えの兆しは一切見られないと断言する。「今年のどのレースを見ても、彼のパフォーマンスが少しでも落ちたとは感じなかった。見ていて楽しまなければならない存在だ。」と語った。「人間の身体には限界があるが、私はまだフェルナンドがその限界に達したところを見ていない。彼は今も驚くほどの情熱と強さを持っている。それが何より重要だ。」とも続けている。一方で、時間がアロンソの味方ではないことも認めた。「確かに、我々は彼にもっと良いクルマを与えなければならない。それが目標だ。年齢は年齢であり、もう待つことはできない。」とデ・ラ・ロサは述べた。その切迫感は、シーズン最終戦後のアブダビで表面化した。レースを終え、マシンを降りた44歳のアロンソに対し、デ・ラ・ロサが思わず声をかけた場面だ。「今年6位で終われるなら、もう少し普通のクルマだったら何ができる?」とデ・ラ・ロサが問いかけると、アロンソは即座に「優勝だ。」と答えた。このやり取りについて振り返り、デ・ラ・ロサは何も準備されたものではなかったと強調する。「正直なところ、そのインタビューは予定されていなかった。何を聞くかも分かっていなかった。」と明かした。「フェルナンドはマシンを降りた直後で、汗をかき、アイスパックを当てていた。その瞬間に質問が自然と浮かび、彼の答えはさらに深いところから出てきた。本当に胸を打つものだった。」と語る。「これが今のフェルナンドだ。彼の野心は明確だ。」