角田裕毅の去就に注目が集まるなか、レッドブルF1代表ローラン・メキースはコンストラクターズ選手権2位争いよりも「実験と学び」を優先すると語った。フェラーリ、メルセデス、レッドブルが接戦を繰り広げる一方で、チームは残りのレースを評価と試行の場と位置づけている。2026年の新レギュレーションと自社エンジン投入を見据えるメキースは、結果よりも理解を深める姿勢を強調。「ポイントを失っても実験し、学ぶことが重要」と語り、角田裕毅の将来に大きな影響を与える可能性がある。
マクラーレンがタイトルを独走する一方で、フェラーリ、メルセデス、レッドブルによる2位争いは激化している。現在フェラーリが280点で2位、メルセデスが20点差の3位、レッドブルはさらに21点後方につけている。今季、レッドブルはRB21に苦戦を強いられており、マックス・フェルスタッペンもイタリアGPまで9戦で勝利から遠ざかっていた。その間、フェルスタッペンにはアップデートパーツを投入する一方で、角田裕毅はフリー走行で旧スペックのマシンでセットアップの実験を行い、予選・決勝で苦戦することがあった。「重要なのは、なぜ我々のプロジェクトが思い通りに進まなかったのかを理解することだ。僕は2位や3位を追うよりも、ポイントを失ってでも実験し、リスクを取り、学びを得る方を選ぶ。2026年の新レギュレーションでも我々の作業プロセスは変わらない。だから今のうちにできる限り多くを理解する必要がある」とメキースはAutosprintに語った。では、メキースが指揮を執ることになった今、レッドブル・レーシングでは全般的に何が起こるのか?「ここでも重要なのは中身と形だ。そして今日、レッドブルにとって唯一重要なのは世界タイトルを再び勝ち取ることだ。グループの経営陣と株主が我々に与えたのは、この唯一の目標だ」「皮肉なことに、この任期の延長は、我々が自社エンジンを立ち上げようとしているまさにその時にやって来る。狂気じみた冒険であり、我々はエネルギーと謙虚さを持って登ろうと準備している山だ」とレッドブルのチーム代表は述べた。メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフによれば、レッドブルはその過程でエベレストを登らなければならないというが、メキースもそれに同意している。「それは確かにエベレストだ。しかし我々はそれをレッドブル流で取り組む。我々の会社はどうやってそのような山を登るかを知っている。我々にはその道のりをできるだけ早く進むために必要なものがすべて揃っている。ただし無謀ではない。我々が2026年にすでに勝てるとは思っていない」とメキースは続けた。「現代において、ゼロからチームを築き世界タイトルを勝ち取ることに成功したのはレッドブルだけだ。そして独力でパワーユニットを構築できたのもレッドブルだけだ。つまり、固定された期限は存在しないが、我々にはすべてを成し遂げる力がある」最後に、メキースがチームにどのようなスタンプを押すのかという点について語った。「その必要はない。我々はグループとして勝つからだ。僕の目標のひとつは、各個人をプロジェクトの中心に据え、その人を評価して、最良の形で自分を表現できるようにすることだ。レッドブルは人々とアイデアに翼を与える」
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