フォルクスワーゲンのフェルディナント・ピエヒ会長(78歳)が25日に辞任し、F1に参戦する自動車メーカーのひとつになる道が事実上開いた。フェルディナント・ピエヒは、F1の商業権保有者バーニー・エクレストンとの個人的確執のため、近年のフォルクスワーゲンがF1に参戦しない理由だと見られていた。
フェルディナント・ピエヒは最近、監査役会のフォルクスワーゲン取締役会に敬遠されていた。しかし、フェルディナント・ピエヒの辞任は、同グループにとって意外だったようだ。フェルディナント・ピエヒが、マーティン・ヴィンターコルンCEOの排除を画策しようとした後、フォルクスワーゲンの監査役会は、マーティン・ヴィンターコルンは2016年以降に新たに広範囲かつ長期的契約を提示されるべきだと推奨した。フェルディナント・ピエヒは、ヴィンターコルンに対する投票で1対5で敗れ、孤立していた。基本的にフェルディナント・ピエヒ対マーティン・ヴィンターコルンの対決という内部闘争を解決するため、緊急会議が招集され、闘争に決着がついた。新会長選出まで、副会長のベルトルト・フーバーが監査役会を率いる。取締役会の異動は、今後18ヶ月以内のモータースポーツ・プログラムにおけるフォルクスワーゲン・グループの再編成をもたらす新しい意思決定プロセスが始動するかもしれない。現在、フォルクスワーゲン・グループは、世界耐久選手権(アウディおよびポルシェ)、世界ラリー選手権、ラリークロス、F3(フォルクスワーゲン)、GTレーシング(ベントレーおよびランボルギーニ)で成功を収めている。同グループはアウディ、ベントレー、ブガッティ、ランボルギーニ、ポルシェ、セアト、シュコダ、フォルクスワーゲンのブランドで乗用車を製造している。昨年、アウディは重要な元F1スタッフを3人雇用した。その3人とは、フェラーリの元F1チーム代表ステファノ・ドメニカリ、BMWとウィリアムズの元エンジニア、イョルグ・ザンダー、そして、フェラーリの元シミュレータ専門家ガブリエレ・デリコッリである。マーティン・ヴィンターコルンは2007年、ベルント・ピシェッツリーダーからフォルクスワーゲン・グループのCEOの座を引き継いだ。それ以前は、アウディAG取締役会会長を務め、アウディのスポーツカーおよびDTMのレーシング・プロジェクトを大々的に支持していた。マーティン・ヴィンターコルンは近年、フォルクスワーゲン・グループの拡大と成長を監督し、EU自動車メーカーのリーダーとしての立場を強化してきた。1990年代に低迷していた不調のブランドを戦略的に高級路線化したポルシェ・ファミリーの一員であるフェルディナント・ピエヒは最近、米国におけるフォルkスワーゲンの不振でマーティン・ヴィンターコルンを批判していた。