マックス・フェルスタッペンは、2025年シーズン中に再び優勝することは「もう期待していない」と語り、レッドブルの深刻なパフォーマンス低下に対して強い悲観を示した。さらに、決勝後にはタイトル争いの完全終戦も認めた。ハンガリーGP予選では8番手に沈み、アストンマーティン勢やザウバーの後塵を拝したフェルスタッペンは、オーストリアのServusTVにこう語った。
「いや、今の状態じゃ絶対に無理だ。まったく期待していない」「今週末ずっとマシンの感触は悪かった。いろいろ試してみたけど、何も機能しなかった。それがとてつもなく大きな問題なんだ。怒ったってクルマが速くなるわけじゃないからね」また、日曜の決勝でリスクを冒すつもりもないと明言した。「意味がないよ。8番手スタートなんて、大していいポジションでもないし、マシンにダメージを負うリスクを冒すつもりもない」レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコも「状況を考えれば素晴らしい仕事だ」と評価しながらも問題の深刻さを認めた。「驚いたことに、新品タイヤよりも中古タイヤの方が速かった。それが何かおかしいという証拠だ」「楽観はしていない。でも、このサーキットはいつも何かが起きる場所だからね」フェルスタッペンはここ数週間、タイトル争いは終わったと語ってきたが、ハンガリーGPを終えたあと、さらなる踏み込みを見せた。日曜の決勝では9位に終わり、マクラーレン勢に大きく後れを取った。これでドライバーズランキングでは首位のオスカー・ピアストリに97ポイント差をつけられている。Viaplayのインタビューでは、ルイス・ハミルトンをコース外に押し出した件でスチュワードの調査対象となっていることについて問われたが、フェルスタッペンはこう答えた。「それがどうしたっていうの、チール。9位で終わろうがノーポイントだろうが、大した違いはないよ」夏休みを楽しみにしているかと聞かれると、「それは間違いないね」と即答した。そして現在の競争力について問われたとき、フェルスタッペンは率直にこう語った。「正直言って、何も言うことはないよ。何も言えない。それくらい酷かった。でも週末を通してずっとそんな感じだったから、驚きでもなんでもない」マルコもまた、レッドブルのタイトル争いが終わったことを正式に認めた。「(タイトルは)不可能だ」とマルコはServusTVに語った。「絶対に無理だ。間違いない」ハンガリーGPでの不振については次のように述べた。「タイヤが機能していなかった。ただ、これは今回だけの問題だと考えている。原因の仮説が正しければ、夏休み明けのレースでは再発しないだろう」ただし、フェルスタッペンはその見解に慎重な姿勢を示した。「それはちょっと楽観的すぎるね。もちろん僕たちにも原因についての仮説はあるけど、ここで詳しくは話せない。もしもう解決可能だったなら、すでに直していたはずだから」そして、今後については冷静に構えていると語った。「僕はいつもかなりニュートラルでいようとしてるんだ。楽観的にも悲観的にもなりすぎないようにね。2勝はできたけど、今年は難しい。マクラーレンが素晴らしい仕事をしている。それを認めなきゃいけない」「こういう状況になるのは驚きじゃない。4年間も好成績が続いていたんだから。成功は巡るものだよ」さらに2026年のレギュレーション大改訂を見据えて、多くのチームがすでに方向転換していると示唆した。「全チームにとって、焦点は2026年に向かっている。ただ、僕たちは今でも安定性を保つ必要があるし、たまには良い結果も出したい」マルコも同様の見解を示し、夏休みが良いタイミングで訪れたと語った。「そうだね。本当に必要な休みだよ」「レッドブルにはまだ埋めなきゃいけないポジションがいくつかある。ローラン・メキースがレースに集中できるように、そのほかの仕事を任せられる体制を整えたい」