マックス・フェルスタッペンは、2028年までレッドブル・レーシングに残留する契約にサインした。これは、フェルスタッペンのチームへの忠誠を示すだけでなく、潜在的なサラリーキャップ導入の可能性の隙間をうまく利用した。F1には大金が関わっている。F1チームはマシンの開発に多額の資金を費やしてきたが、現在ではそれがどんどん抑制されている。
2022年は予算上限が1億4000万ドル(約160億円)に設定され、今後さらに引き下げられる計画となっている。小規模チームでも制限内で運用することができる上限だが、多くの分野はまだ上限の対象外となっている。例えば、ドライバーの給与はまだルールの対象外であり、F1チームは契約に必要なだけの金額を費やすことができる。報道によると、マックス・フェルスタッペンのレッドブル・レーシングとの新契約は年間5000万ユーロ(約64億円)で、5年間で2億5000万ユーロ(約320億円)が支払われるという。昨年、F1はチームあたりのドライバーの給与を年間3000万ドル(約33億円)とするサラリーキャップを評価したが、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリはこの動きをサポートしていらず、平行線をたどっている。結局、マックス・フェルスタッペンは、F1にサラリーキャップが導入される前に新しい契約を確保した。今後6年間でサラリーキャップが導入された場合、契約交渉は難航していたはずだ。これはマックス・フェルスタッペンの経営陣による賢明な動きだが、レッドブル・レーシングにとっても賢明な取引となる。チームは今後6年間、ライバルチームから引き抜きを心配することなく、同世代で最高のドライバーの1人を自由に使えるという安心感を獲得した。マックス・フェルスタッペンに良い車を与えれば、ほぼF1ワールドチャンピオンが保証される。したがって、新しい取引はお互いにウィン-ウィンの状況となる。
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