FIA 世界耐久選手権(WEC)第2戦 ル・マン24時間レースの公式練習と予選1回目が6月13日(水)に行われ、TOYOTA GAZOO Racingは暫定ポールポジションにつけた。開幕戦スパ6時間レースをポール・トゥ・ウィンで飾り、選手権ポイントのリーダーとして今大会に臨んだ中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車が、予選1回目で中嶋一貴がマークした3分17秒270でトップタイム。暫定ポールポジションにつけ明日の予選2回目、3回目に臨むこととなった。
昨年のル・マン24時間レース予選でそれまでのタイムを大幅に更新してポールポジションを獲得した小林可夢偉がアタックした7号車が、0.107秒の僅差で続き、暫定ながらトヨタの2台が最前列グリッドに並んだ。86回目を迎えるル・マン24時間レースの予選は、13日(水)と14日(木)の2日間、2時間のセッションが3回実施され、決勝のスターティンググリッドはこの3回のセッション中の最速タイムで決定される。20回目のル・マン挑戦となるトヨタは初勝利へ向けて、通算4度目のポールポジション獲得への好スタートを切った。ル・マンウィークの走行初日は、午後4時から4時間にわたる公式練習で開始された。TOYOTA GAZOO Racingはこのセッションで、サスペンション、空力とともにハイブリッド・システムのセッティングを進めながら、周回数でもライバル勢を上回る、2台合計で109周を走破した。6月3日(日)のテストデーで記録した8号車の最速タイムに安堵することなく、チームはその後もハードワークを続け、TS050 HYBRIDの細部にいたる改良を進めてきた。また、LMP1車両は規定により、決勝レースで使用できるタイヤは、12セットプラス4本のスペアタイヤのみと決められているため、タイヤについて様々なコンパウンドの分析を続けると共に、週末のレースへ向けスピードと摩耗の両面において比較作業を行った。予選1回目は日が暮れた午後10時に開始。TS050 HYBRIDにとっては、2017年の決勝レース以来のサルト・サーキットでの夜間走行となった。セットアップを改善し、ラップタイムを追求するだけでなく、全ドライバーが決勝レースへ向けた十分な周回をこなすという目的も達することが出来た。TS050 HYBRID 7号車 (小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス):公式練習 : 1番手 (3分18秒718), 54周公式予選1回目 : 2番手 (3分17秒377), 33周TS050 HYBRID 8号車 (中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ):公式練習 : 2番手 (3分19秒275), 55周公式予選1回目 : 1番手 (3分17秒270), 31周小林可夢偉(7号車):今日一日、とても上手くいったと思います。いつものことですが、コース上に車両が多く、思うようにタイムを出すのが難しい状況でした。出来るだけ多く走り、車両とタイヤのセットアップを進めることが重要です。初日としてはまずまずでしたが、今日のデータを確認しながら決勝レースに向けて更に車両を仕上げなければなりません。マイク・コンウェイ(7号車):順調な一日でした。多くの確認項目があり、最適な車両バランス調整を進め、良い状態に仕上げることが出来ました。更に今日の内容を精査して最適なタイヤを選択しなければなりません。車両はとても良い状態にありますが、明日に向けて更なる向上を狙います。ホセ・マリア・ロペス(7号車):全てがスムースに進み、2台揃ってとても良い結果を出せたのは、チームとしても満足いく内容でした。TS050 HYBRIDはとても感触が良く、コース上は相変わらずの混雑だったのにもかかわらず、全てが順調に感じました。満足行く一日でした。もちろんまだ始まったばかりですし、最も重要なことは、日曜日の午後3時に目標通りのチェッカーフラッグを受けることです。中嶋一貴(8号車):今日はいつも通りの一日になりました。最初の予選で暫定ポールが取れたのは良かったですが、まだまだ長い週末は始まったばかりです。予選走行でも多くの車両で混雑していたため完璧とは言えませんでしたが、それでも良いラップタイムが刻めたので良かったです。でもレースに向けてはまだまだやるべき事がたくさんあります。しっかり準備をしたいと思います。セバスチャン・ブエミ(8号車):チームにとって良い一日となりました。最初の予選では1-2が目標でしたが、それを達成出来たのと同時に、トラブルなく多くの周回をこなせたことに満足しています。我々のTS050 HYBRIDは練習走行では満足いかない部分がありましたが、予選では良い状態に改善されました。まだ長い挑戦が始まったばかりですので、あまり気負わないことにします。フェルナンド・アロンソ(8号車):本日の練習走行では多くのセットアップを確認しました。続く予選は夜間走行に慣れることに重点を置きましたが、上手くいったと思います。明日も引き続き、チームメイトの走りも参考にしながらル・マン独特の走行を学んでいきます。決勝レースはとても長く、何が起こるかわかりませんので、出来る限りの準備をします。関連:・【ル・マン24時間】 予選1回目:トヨタ8号車が暫定ポールポジション・【ル・マン24時間】 公式練習:トヨタの小林可夢偉がトップタイム