トヨタ自動車で社長で自工会会長を務める豊田章雄が、鈴鹿市で記者会見を実施。今年、東京オリンピックが開催されたにも関わらず、国際的な自動車レースが中止になったことについて「五輪で許されても4輪2輪は許されない」「不公平感を感じる」と語った。今年、新型コロナウイルスの感染拡大によってF1、WRC(世界ラリー選手権)、WEC(世界耐久選手権)、MotoGP、鈴鹿8耐久など、モータースポーツの国際イベントは軒並み中止となった。
F1に関しては、関係者の入国のためのビザ発給に必要な書類は提出したにも関わらず、日本政府から開催を判断できる期日までに回答がなかったことが主な理由だった。オリンピックで問題視されたバブルに関しても、F1は昨年から諸外国でのレースで成功を収めてきた経験があった。他のモータースポーツに関しても、感染拡大および海外からの入国の許可を取ることが困難なことが中止を決断した理由のひとつだったが、東京オリンピック/パラリンピックに関しては、その制限が緩和された。トヨタとしても、積極的に誘致を行ったラリージャパン(WRC)の開催を2年連続で中止にするという苦渋の決断を迫られた。自ら「モリゾウ」の名前でレースに出場し、スポーツの魅力を伝えようとしている豊田章男氏にとってその悔しさは一塩だったことだろう。豊田章男氏は、自工会会長としての記者会見で、ネット上で話題となった『五輪はOKで四輪はNG?』というワードで笑いを誘いながらも、真剣に訴えかけた。ホンダにとって最後のホームグランプリの舞台となるはずだった鈴鹿で語った意義も大きい。「我々4輪2輪系からすると不公平感を感じる」と豊田章男氏は語った。「五輪も支援させて頂いてますし、アスリート支援をしております」「ただ、モータースポーツもアスリートだと思います。そして、5輪・パラリンピックもみんな彼らは彼女らはアスリートだと思います」「同じアスリートに対して、どうして入国の対しての許可が違うのか、どうして開催の判断が違うのか」「モータースポーツに関しては、外国人選手がなかなか入国できないなどもありました」「一言で言うと『五輪で許されても4輪2輪はなぜですか?』というのを見出しにしてください」