トロロッソ・ホンダのテクニカルディレクターを務めるジェームス・キーは、新しいパワーユニットパートナーであるホンダととに順調なスタートを切れたことは驚くことではないと語り、この傾向は今後も継続していくだろうと自信をみせる。昨年、マクラーレンはホンダのF1パワーユニットの信頼性問題に苦しみ、最終的にパートナーシップを解消することを選んだ。しかし、今年ホンダのF1パワーユニットを搭載するトロロッソ STR13は優れた信頼性を示しており、すでに1500km以上を走行している。
これほどまでに多くの走行距離を走りこめていることに驚いているかと質問されたジェームス・キーは「去年の状況を見れば驚くかもしれないが、しばらく彼らと仕事をしてきた我々としては驚きではない」とコメント。「彼らが有している施設、彼らの仕事への必死さを見れば、もう私を驚かせることはない」「もちろん、コースに出てみるまで決してどうなるかはわからなかった。だが、大きな問題はまったくなかったと言わなければならない。我々の側には小さなストップがあった。彼らとの作業は非常にスムーズだった。彼らは非常に開放的であり、全ての会議に出席しているので、我々全員が何が進行しているかを把握しているし、我々はすべてを最適化するために協力している。これまでのところは非常にスムーズだし、それが続いていくと確信している」ジェームス・キーは、テスト最終日にソフトウエアのエラーによるブレーキ・バイ・ワイヤの問題が発生して作業は一時的に遅れたと説明した。また、ルノーに代えてホンダのF1エンジンを搭載するためにSTR13を短期間で再開発しなければならなかったが、トロロッソにはマクラーレン製のプロダクトはまったく使用されていないと語る。「なぜ我々がSTRにマクラーレンの部品を望む? STRのギアボックスだ」とジェームス・キーはコメント。「内部はレッドブル・テクノロジーと共通だが、それらは共同で設計されている。例えば、オイルシステムは我々のものであり、メインケースは完全に我々のものだ。電子システムやコントロールシステムもそうだ。完全にSTRだ。互角性に完全な違いがあるので、異なるエンジンを搭載するにはその方法を採らなければならない」また、ワークスパートナーとしてホンダと働くことはトロロッソに“ポジティブなプレッシャー”をもたらしているとジェームス・キーは語る。「ワークス契約であり、本格的な協力体制だ。全てのダイナモテスト、R&Dリグテスト、いくつかのエリアの共同開発、共同設計作業などがある。来年の設計作業もすでに進行している。その全てが我々のパートナーシップでは非常にユニークだ」「実際、そのすべては責任が重い。我々はそれを楽しみにしていたし、ポジティブなプレッシャーだ。しかし、ホンダが一緒に仕事をするチームと進歩するために必要なレベルに引き上げるのは大きな責任だ」ジェームス・キーは、ホンダとマクラーレンの提携の詳細については知らないとしながらも、トロ・ロッソについてはホンダとの関係を確立するため、できるだけ要求を減らそうとしたと語る。「マクラーレンとの関係がどうだったのか知らないし、正直なところ話し合ってもいない。それは我々の仕事ではない。自分たちの仕事を楽しみにしているし、注目している」「我々は、ホンダが改善するために必要な自由をすべて与えるというアプローチを採っている。非常に短い期間で2018年のエンジンで協力しなければならなかったし、対応しようとした妥協点もいくつかあったが、基本的に彼らを全面的に支援して、彼らが仕事をするために必要な自由を与えたかった」「来年については、さらに緊密な共同作業になる。というのもゼロから始めているからだ。したがって、2019年のエンジン、シャシーへの搭載、統合システムについては、今とても自由に議論することができている。ホンダには『やりたいことを教えてほしい、そうすればこちらで得失評価をして、ベストパッケージがどういうものかを考える』と言ってある」「なぜなら、最高のパワーユニットや最高のシャシーではなく、最高のパッケージのために組み合わせようとしているからだ。コンビネーションが重要だ」