スバルとSTIは、2017年のモータースポーツ参戦計画の概要を発表した。水平対向エンジンとシンメトリカルAWDシステムによりもたらされるSUBARU車の「安心と愉しさ」は、モータースポーツにおいても変わらない。この「安心と愉しさ」は、ドライバーが手足のように操れ、安心して、かつ愉しく走れることであり、これを実証するためにSTIは極限の場であるモータースポーツに挑んでいる。
ニュルブルクリンク24時間レース5月25日(木)から28日(日)にかけてドイツ・プファルツ州アイフェル地方のニュルブルクリンクサーキットで開催される「第45回ニュルブルクリンク24時間レース」に、STIはコンプリートカーやパフォーマンスパーツ開発で培ったノウハウ、技術を投入したSUBARU WRX STIにて参戦する。このチャレンジは、2008年以来今年で10年目となり、本年は節目の年を迎える。2017年の参戦車両は、量産車の良さを活かしながら更に「速く」かつ「意のままに操る」開発と改良を施している。具体的には、加速性能とトップスピードの向上を図るためにエンジン出力の向上、パドルシフトの採用、トランスミッションの改良を施しており、同時にシャシージオメトリーの最適化、剛性バランスの改善、車体の軽量化、慣性モーメントの低減、フロントダウンフォースの向上などによりコーナーリングスピードも上げていく。SUBARU WRX STIは、今年も欧州有力メーカーが多数参戦する2.0リットル以下のターボエンジン搭載車クラスである「SP3T」に参戦し、同クラスでの3年連続、5度目の優勝を目指す。チーム監督は昨年に引き続きSTIの菅谷重雄が担当し、STI社員と全国のスバル特約店から選抜されたメカニックたちがチームの運営を行う。ドライバーは、昨年までの2連覇のメンバーである、カルロ・ヴァンダム(オランダ)、マルセル・ラッセー(ドイツ)、ティム・シュリック(ドイツ)、山内英輝(日本)の布陣で挑む。SUPER GTシリーズ日本国内最高峰のモータースポーツカテゴリーであるSUPER GTシリーズのGT300クラスに、昨年に引き続きSUBARU BRZ GT300で参戦する。2017年シーズンは、昨年の雪辱を果たすべく、参戦車両に搭載する水平対向ボクサーエンジンの熱効率の改善、更に、軽量化、空力性能の向上、慣性モーメントの改良などを行い万全の体制で臨む。チーム体制は、STIの渋谷真プロジェクトジェネラルマネージャーのもと、総監督にSTIの辰己英治が就き、ドライバーはこれまでと同様に井口卓人、山内英輝の2名体制で挑む。STIは、チーム運営母体である株式会社アールアンドディースポーツと共にシリーズ優勝を目指す。グローバルラリークロス選手権サーキットレース、オフロードレース、ラリーの要素を併せもち、アメリカで人気のグローバルラリー選手権(GRC)に参戦しているSUBARUラリーチームUSA(SRTUSA)への技術支援を本格化する。STIでは、野村章プロジェクトシニアマネージャーのもと、参戦車両であるSUBARU WRX STI GRC Supercarのエンジン出力改善、耐久信頼性向上、ローンチコントロール改善、更にコーナーリングスピードを上げるためのジオメトリー最適化と剛性アップおよび慣性モーメントの低減を図り、「速さ」と「ドライバーが意のままに操る」ことの高いレベルでの両立を目指し開発を進めている。ドライバーは、元SUBARUワールドラリーチーム(SWRT)のドライバーで、昨年シーズン途中よりSRTUSAからGRCに参戦し、第12戦のロサンゼルス戦ではポールポジションを獲得したクリス・アトキンソン(オーストラリア)に加え、すでにGRCでは名の知れたパトリック・サンデル(スウェーデン)の2名体制で挑む。チーム運営は、アメリカのバーモントスポーツカー(Vermont SportsCar)が担当する。
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