SUPER GT第5戦の決勝レースが行われ、予選2位からスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)は、30周以上にわたる息詰まる接近戦を抑えきり2位フィニッシュ。今シーズン初表彰台を獲得した。スタートドライバーのクインタレッリは序盤から安定したペースで周回していたが、GT300クラスの周回遅れが現れ始めると、それをかわすタイミングなどで後続との差が接近。21周目には、3番手を走る#36 LC500との差が僅か0.5秒となりテールトゥノーズの状態まで迫られたが、要所でGT300を間に挟むなど状況を巧みに利用...
#23 GT-Rは30周を終えてピットイン。同じタイミングでピットに入ってきた#38 LC500の鼻先を抑えてコース復帰に成功したが、ここから#38 LC500との長い戦いが始まることになった。後半スティントを担当した松田は、#38 LC500に迫られるたびに周回遅れのGT300マシンを挟み、再びギャップを広げていく。終盤まで、1秒を切る攻防が続く中で、トップを走る#8 NSX-GTとの差もじわじわと削っていった#23 GT-Rは、#8 NSX-GTと2.3秒差でファイナルラップへ突入。松田は最後の力を振り絞って猛チャージをかけた。その差を1.5秒まで一気に縮めたが、わずかに逆転には届かず。しかし激闘のなかで2番手を守り切った#23 GT-Rは、今シーズン初の表彰台獲得となり、シリーズポイントも15ポイントを追加。トップと3ポイント差の5位となった。ロニー・クインタレッリ (#23 ドライバー)「序盤、あまりクルマのバランスが良くなかったのですが、レースが進むにつれて路面状況が良くなってきたこともあって、ピットに入る前の10周ぐらいは乗りやすいクルマになってプッシュできていました。もう少しピットインのタイミングは伸ばしても良かったのですが、前の方にトラフィックが見えていたので、いい判断ができたと思います。作戦もピット作業も良かったですね。表彰台という、今シーズンの目標の一つを達成できましたし、ポイントランキングも接戦です。最終戦でチャンピオンが争いできるように、後半戦もしっかり戦っていきたいです」松田次生 (#23 ドライバー)「ピットアウトしてすぐのころは38号車も少し差が開いたので、8号車を追いかけることに集中できたのですが、すぐにまた(38号車が)近づいてきてしまいました。いいところで周回遅れのマシンが現れたりして、“どうしてこのタイミングで…”と思うこともたくさんありましたが、なんとかそれを38号車との間に挟みながらのレースでした。久々につらい戦いでしたね。でも、今シーズン初の表彰台を獲得できて良かったです。鈴鹿では、ウェイトが重いグループの中でトップを走れるように頑張ります」鈴木豊 (ニスモ 監督)「後半スティントの松田は、最後まで集中力を切らさず、なおかつトップを狙って諦めずに、よくあそこまで走ってくれたと思います。前半のロニーもそうですが、二人で本当によく頑張ってくれました。今回、近いハンディを背負った38号車と戦えたことが自信にもなりました。こういったレースがなかなかできなかったので、それも良かったです。ようやく今シーズン初めて表彰台に上がることができて、ランキングでもトップと3ポイント差まで追いついてきました。応援ありがとうございました。鈴鹿では、ランキング上位よりも前でゴールし、なんとか逆転したいですね」GT300クラス 決勝レースB-MAX NDDP GT-Rはスタート直後に無念のリタイア長谷見昌弘監督率いるNDDP RACINGの#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)は、予選8位からスタートしたが、オープニングラップで他車に接触され、レースを終えた。決勝レース前に20分間設けられているウォームアップ走行で、#3 GT-Rはクラス3位のタイムを記録。予選上位の中でもトップにつけ、決勝レースへの期待が高まっていた。GT300クラスのスタートは、予選4位の車両が1コーナーで止まり切れずにコースアウト。これで順位を上げたスタートドライバーの星野だったが、コースアウトした車両がコースへ戻って来て星野と接触。この接触で左フロントの足まわりにダメージを負い、星野はコース脇に車両を停め、レースを終えることとなった。星野一樹 (#3 ドライバー)「ウォームアップランのタイムも良く、今日は勝つつもりでスタートしましたが、直後の1コーナーでコースアウトした車両がコースに戻って来て当てられてしまいました。信じられません。勝てたレースだっただけに無念です」高星明誠 (#3 ドライバー)「最低でも表彰台、そして優勝も狙えたレースだっただけに、アクシデントに巻き込まれる形でリタイアになってしまったのは残念でなりません。気持ちを切り替えて次の鈴鹿1000kmを迎えますが、自信はありますし今日やれなかったことをやり遂げるつもりです」長谷見昌弘 (NDDP RACING 監督)「このレースに向けてしっかり車両とタイヤを準備して備えて来ました。今シーズン一番活躍できるチャンスで、優勝できると予想していましたが、スタート直後に終わってしまい残念です。スタート直後の1コーナーというのは何があるか分からないもの。隙を見せてしまったのかもしれません。なんとか立て直し、鈴鹿1000㎞に臨みたいと思います」関連:【SUPER GT】 第5戦 富士 結果:ARTAが2クラスでダブル優勝!


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