2019年のスーパーフォーミュラから投入される次世代マシン『SF19』が6月15日(金)にはイタリア・ヴァラーノサーキットでシェイクダウンを完了させた。今週、シャシーメーカーのダラーラはSF19のテストカーを完成された。完成に向けてはホンダ、トヨタの関係者によるエンジンの組み付けも行われ、マシンは北イタリアのヴァラーノサーキットに輸送された。
SF19のシェイクダウンは、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGからスーパーフォーミュラに参戦するホンダドライバーの野尻智紀が担当。4時間で71周を走行し、検証テストを行った。スーパーフォーミュラの関係者によると、野尻智紀の最速タイムは、同サーキットでLMP1カーによって記録されたラップレコードよりも2秒速い57秒台だったという。詳細は明らかにされていないが、今年3月にドラゴン・スピードがBR1マシンをテストしている。2台のマシンは7月4・5日に富士スピードウェイで開催される2日間の公式シェイクダウンテストにむけて日本に輸送されるという。スーパーフォーミュラによると、SF19は2014年より同シリーズで使用されてきたSF14よりも速くて安全だとしている。SF19は、ホイールベースの短縮を含めて完全に新しいデザインを特長とし、重量は可能な限り抑えられているという。SF14はドライバーを含めて660kgの最低重量。ちなみにヘイローを装着したF1カーの最低重量は734kgとなる。設計の見直しの一環として、SF19の空力面にはいくつかの変更が加えられている。リアウイングの搭載位置は低くなり、両方のサイドポッドにはウイングレットが搭載されている。SF19にはヘイローは搭載されないが、ダラーラはドライバーの安全を守るために他の対策を講じているとしている。スーパーフォーミュラは、インディカー型のプッシュ・トゥ・パス・ボタンを引き続き採用するが、主催者によるとSF19はアンダーフロアでダウンフォースを発生させることに焦点が起これており、オーバーテイクは増加するとしている。【動画】 スーパーフォーミュラ SF19 ラインオフ■SF19 導入の背景現行の『SF14』は、2018年シーズンでリリースから5年が経過する。現在F1をはじめフォーミュラマシンの安全基準が年々変化していることへの対応、さらに、より洗練された空力性能、そしてオーバーテイクをより可能とすることが求められている。これらに対処し、スーパーフォーミュラが世界に誇れるフォーミュラカーレースとしてのクオリティを保つため、新型車両の導入が必要と判断した。■コンセプト「Quick & Light」=SF14のコンセプトを継続し、より進化させていく。 俊敏で軽快なSF14の導入によって、シリーズの魅力が大きく向上したことを受け、『SF19』 は、その方向性をより追求したマシンとなる。さらに、スーパーフォーミュラにとって非常に重要な要素である「ドライバー同士の競い合い」をより際立たせるため、「他車との接近時のコントロール性」を空力の見直しによって改善し、シリーズとしての「エンターテイメント性」と「競技性」の両立を目指す。■車両についてシャシー: ダラーラ SF19エンジン: NRE(2Lターボエンジン/燃料流量制限/OTS搭載)タイヤ: ヨコハマタイヤ製 13インチタイヤ