アレックス・パロウがHonda勢最上位の4位入賞を果たす8月17日(土)~18日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)で2019年度全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が開催された。台風10号の影響が残った金曜日は朝まで雨が残ったが天候は急速に回復。8月17日(土)は朝から真夏の太陽が照りつけ気温が上昇するコンディションとなった。
酷暑の中で行われた朝のフリー走行では、セッション終盤にソフトタイヤでのタイムアタックシミュレーションが行なわれ、シリーズ第4戦富士で雨の中ポールトゥウインを飾った#64アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)がベストタイムを記録。快調ぶりを見せた。午後2時30分、公式予選Q1が始まった段階で気温は38℃に達した。過酷なコンディションで行なわれたQ1からQ3までのセッションでは、朝のフリー走行から快調だった#64パロウがコースレコードを記録して2戦連続のポールポジションを獲得。以下、3番手に#5福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、4番手に#50ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、6番手に#16野尻智紀(TEAM MUGEN)、8番手にランキングトップの#1山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いて決勝レースに臨むことになった。翌日も、薄い雲が流れるものの夏の太陽が照りつけ決勝スタートを前に気温は37℃に達した。スタート合図を前にエンジンをストールさせる選手が発生したため赤旗が掲示され、レースは周回数を51周に減算したうえでスタートとなった。ポールポジションの#64パロウは先頭を守ってレースを始めると、2番手の#20平川亮(トヨタ)を引き離しにかかった。その後ろには#5福住が#18小林可夢偉(トヨタ)を押さえて続いた。しかし#64パロウはタイヤの消耗が進んでペースが伸びず、#20平川に少しずつ詰め寄られ、23周目に2番手へ後退した。#5福住も33周目、#18小林の先行を許す。38周目を終えて#64パロウと#5福住は、タイヤ交換義務を果たすためピットイン。給油も行なってレースに復帰する。この間に#18小林が#64パロウに先行、さらに後方から追い上げてきた#37ニック・キャシディ(トヨタ)が46周目、#64パロウに追いつきオーバーテイク。#64パロウは4番手へ後退し、#5福住はその背後5番手となる。レースはそのままフィニッシュを迎えることとなった。#64パロウは4位、#5福住は5位でチェッカーフラッグを受け、また7位に#50アウアー、8位に#16野尻が入り、ポイントを獲得した。#1山本はこのレース9位で無得点に終わりシリーズランキング2位に後退した。一方6点を獲得した#64パロウはランキング3位をキープ。4点を加えた福住選手はランキング6位へ浮上してシリーズ第5戦を終えた。アレックス・パロウ(4位)「気温が高かったため、難しいレースになってしまいました。予選では難しいコンディションの中、うまくタイヤをマネージメントできて2戦連続のポールポジションが獲れました。しかし、上位がわずかな差だったので決勝はたいへんだろうと覚悟していました。レーススタートでトップに立って、当初はいい感触でしたが、5周を過ぎた頃からタイヤのデグラデーション(性能低下)が激しくなって、思うようなペースで走れなくなりました。ソフトタイヤからミディアムタイヤにチェンジしましたが、状況はあまり変わりませんでした。でもチームはすばらしい仕事をしてくれて状況はどんどんよくなってきています。そういう意味では4位フィニッシュという結果は悪くはなかったと思います。岡山での第6戦に向けて、チームとともにもっとがんばって備えます」福住仁嶺(5位)「ソフトタイヤで引っ張って順位を上げ、ミディアムタイヤにつなぐという戦略を選択したのですが、思いのほかペースが上がらず、前半は苦しい展開になってしまいました。前に近づくとダウンフォースが抜けてまた間隔が開いて、という繰り返しに陥ってポジションを上げられませんでした。その結果、結局5位でレースを終えました。ピットインのタイミングも結果的に外れてしまい、速さだけではなく戦略面でもうまく戦わないと表彰台には乗れないと痛感しました。でも着実にポイントを獲得してランキング上位に並んでいます。今の状態で満足してはいけないのですが、自分は確実に成長できていると実感していて、流れは悪くはないと思います」
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