全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズの2018年シーズンが4月21日(土)に鈴鹿サーキットで開幕する。2014年に導入された、現行スーパーフォーミュラ車両SF14にとって最後となるシーズンを前に、3月28日(水)から29日(木)の2日間にかけて、静岡県にある富士スピードウェイで2018年度2回目となる、最後の合同テストが行われた。春の日差しのもとで進んだ2日間4セッションのテストには20選手が参加した。
両日とも、午前中のセッションのみ、オーバーテイクボタンを2回だけ使えるという規則が適用され、多くの選手のベストタイムは気温の上がった2日目の午前中のセッションで、ソフトタイヤとオーバーテイクボタンを使って記録された。昨年のシリーズチャンピオン、石浦宏明をわずかに0秒009しのいで総合ベストタイムを記録したのは、参戦5年目を迎えるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの野尻智紀。タイムに関しては、「タイヤのスペックやオーバーテイクボタンをどう使うかによってタイムが変わりますから、このトップタイムはあまり意味がありませんが、マシンの調子はとてもいいです」と語った。ホンダ勢2番手、総合5番手につけたのは、今年からスーパーフォーミュラにデビューするB-MAX RACING TEAMの千代勝正。正式に今シーズンを戦うことが決まった千代は、これまでGTレースでは実績を残してきたが、トップフォーミュラに参戦するのは初めて。慣れるまでに時間がかかるのでは、との声もあったが、不安を吹き飛ばす好タイムを記録した。千代に続いたのはTCS NAKAJIMA RACINGのナレイン・カーティケヤン、伊沢拓也の2人。伊沢は、移籍した新天地でも安定した速さを示している。鈴鹿サーキットで開催される開幕戦はシリーズ最長の300kmで争われる。今シーズンから全レースで採用されるタイヤ2スペック制で戦うためには、タイヤ戦略が大きなカギとなる。TEAM MUGENの山本尚貴は、いつも通り着実に周回を重ねてデータ収集を行った。山本に続いたのは、チームメートとしていよいよスーパーフォーミュラデビュー戦を迎える新鋭、福住仁嶺。富士のテストを終えたあと、4月7日(土)から8日(日)にはバーレーンでFIA-F2選手権の開幕戦を戦いレース2で8位に入賞している福住。今週末は、再び日本へ戻ってスーパーフォーミュラ開幕戦に臨む。いまやベテランとなったREAL RACINGの塚越広大と、福住と並んでFIA-F2を戦い、期待を集める若手ドライバーの松下信治は、2週間前に鈴鹿サーキットで開催された第1回合同テストで好タイムを記録しており、今回は開幕戦に向けてタイヤを含めたデータ収集に徹した。なお、FIA-F2に出場するため第2戦を欠場する福住の代役には阪口晴南選手が決定しており、今回初めてスーパーフォーミュラマシンでの走り込みを行っている。Hondaエンジンを搭載してシリーズに参戦するのは5チーム8台。戦いの準備は整った。
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