2026年F1カレンダーを巡る調整が、新たな局面を迎えている。中東情勢の悪化によって開催延期となっていたサウジアラビアGPについて、復活可否の判断が「2〜3週間以内」に下される見通しであることが明らかになった。F1と各プロモーター、そしてFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)は現在も協議を継続しており、2026年シーズン終盤にカレンダーを再編成する案が現実味を帯びてきている。
サウジアラビアGP復活案でアブダビGP延期の可能性中国GPの週末に、2026年F1カレンダーからバーレーンGPとサウジアラビアGPが予定通り開催されないことが正式発表された。ただし、その時点でも「中東情勢が改善した場合には復帰の可能性を残す」という立場が示されており、完全消滅ではなかった。『PlanetF1.com』によると、現在もっとも有力視されている案は、サウジアラビアGPを12月に組み込むプランだという。その場合、最終戦アブダビGPを少なくとも1週間延期する必要があり、2026年シーズン終盤は異例の“超過密日程”となる可能性がある。関係者は『PlanetF1.com』に対し、「2〜3週間以内に決定される」と語っている。FOMは現時点で“22戦前提”を維持一方で、リバティ・メディア側は現時点では「22戦開催」を基本想定としている。同社の最高会計責任者ブライアン・ウェンドリングは投資家向け説明会で次のように説明した。「我々は22戦カレンダーを前提に動いている」「ただし、シーズン後半に1戦を移動できる可能性には依然として期待している。それが実現すればプラス要素になるが、現時点の予測では22戦だ」さらにリバティ・メディアCEOのデレク・チャンも、代替案の検討が続いていることを認めた。「我々はあらゆる代替案を検討している。変更や調整を行う場合に十分な準備期間を確保できるよう、適切なタイミングで判断を下そうとしている」“ラスベガスGP第2戦”案も浮上代替案のひとつとして浮上しているのが、ラスベガスでの追加開催だ。ラスベガスGPはリバティ・メディア自らがプロモートしているイベントであり、開催権や運営面をFOM側がコントロールしやすいという利点がある。もっとも、市街地封鎖や地域経済への影響を考慮すると、現地自治体との調整が必要不可欠であり、さらに開催コストを誰が負担するのかという問題も残る。中東ラウンド中止による広告収入損失を補填する目的で、FOM自身が負担する可能性も議論されているという。10月開催案では“トリプルヘッダー”再発ももうひとつの選択肢として検討されているのが、10月への組み込み案だ。具体的には、10月2〜4日の週末にバーレーンGPをアゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間へ挿入する案が浮上している。この場合、再び3連戦(トリプルヘッダー)が発生することになるが、既存イベントの日程変更を避けられるメリットがある。ただし、12月にサウジアラビアGPまたはバーレーンGPを追加した場合、シーズン終盤は4連戦(クアドラプルヘッダー)になる可能性もある。チャンCEOは次のようにも述べている。「F1に関わるすべての人々の健康と福祉が最優先であり、その原則に基づいて常にカレンダーを管理している」その一方で、「シーズン終盤に1戦を再配置できる可能性はある」とも認めた。ステファノ・ドメニカリCEOは“残業状態”で状況監視F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、中東情勢を注視し続けていることを明かした。「我々にはプランがある。ただ、それを実行しないで済むことを願っている。世界情勢が、レースだけでなく正常な状態へ戻ることを本当に望んでいる」「4月に開催できなかったレースを後から回収するケースと、11月末から12月初旬に起きる可能性のある事態では、必要なリードタイムや判断期限が異なる」「我々はチームやプロモーターと連携している。非常に大きな連鎖反応を伴う問題だからだ」さらにドメニカリは、現時点での憶測を避けたいと強調した。「推測だけを話すことは避けたい。最優先は、本来レースを開催すべき場所に戻れる状況になることだ」