2月29日(木)から3月2日(土)にかけてバーレーン・サヒールのバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた2024年FIA-F2第1戦に、TGR WECチャレンジプログラムのドライバーである宮田莉朋が出場。スプリントレース9位、フィーチャーレース9位という結果で、デビュー戦での入賞,ポイント獲得を果たした。
昨年国内のスーパーフォーミュラとSUPER GTでダブルチャンピオンを獲得した宮田莉朋が、今年はTOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムのドライバーとして世界に舞台を移し、年間14戦で行われるFIA-F2選手権にロディン・モータースポーツからフル参戦する。今季同シリーズに参戦する宮田の車両は、ロディンのチームカラーであるブラックをベースにGRロゴというカラーリングで、スーパーフォーミュラのチャンピオンによる参戦、そして2月に行われたバーレーンでのテストでも好走を見せるなどして、注目を集めている。FIA-F2は通常金曜日に練習走行と予選、土曜日にスプリントレース、日曜日にフィーチャーレースというスケジュールで行われるが、今大会の舞台であるバーレーンを含む中東地域は日曜日が安息日とされるため、一日ずつ前にずれ、2月29日(木)に練習走行と予選を実施。この練習走行でも宮田はトップと0.581秒差の4番手と好タイムをマークした。【予選】日が傾きかけた午後5時より30分間で行われた予選は、気温18度、路面温度26度と涼しいコンディション。セッション前半は最初のアタックで走路外違反でのタイム抹消をとられたものの、再アタックし8番手タイム。一旦ピットインしてタイヤを交換したあと、さらにタイムを更新し、トップと0.307秒差の6番手と、FIA-F2初の予選で好タイムを記録した。【スプリントレース】3月1日(金)のスプリントレースは、午後5時15分より、ピットイン義務無しの120km(23周)もしくは45分+1周というフォーマットで争われました。スプリントレースでは予選の上位10台が逆順のスターティンググリッドとなる。予選終了後、上位1台が失格となった影響で、予選順位がひとつ繰り上がり5位となった宮田は、3列目6番手からと好位置からのスタートとなった。しかし、レースウィークの限られた時間の中でスタート練習ができず、クラッチに不安を抱えたまま迎えた初めてのFIA-F2での決勝スタートで、宮田は痛恨のホイールスピン。18位へと大きくポジションを落としてしまった。1周目の1コーナー進入時、中団グループで接触による多重クラッシュが発生し、そのすぐ後方にいた宮田は間一髪でこれをかわし、ポジションアップ。その後も次々にライバルをパスする素晴らしい追い上げを見せ、15周目にはトップ10圏内まで浮上した。その後は、5位以降の車両が連なる形となる中で、抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開。一時は10位に後退するも、残り2周で抜き返し、9位でチェッカー。スプリントレースは8位までがポイント獲得のため、惜しくも初のポイント獲得はならなかった。宮田莉朋:「ついにF2が開幕しました。今シーズン、ここでドライブできることを嬉しく思いますし、あらためてサポートしてくださる皆さんに感謝したいです。最初のレースの結果は9位で、あと1台抜けばポイントを獲得できたものの、スタート練習が全くできない中でレースをスタートしたこともあり、正直かなりひどいスタートになってしまいました。その後のレースペースは悪くなく、自分もタイヤマネージメントをうまくコントロールしてオーバーテイクできたので、すごく良い経験になりましたし、明日のフィーチャーレースに向けても良い収穫になったと思います。明日は5番手からのスタートなので、まずは普通のスタートを切れるように僕もできることはしっかり準備して、明日こそ良いスタートを切って、良いレースをしたいなと思います」【フィーチャーレース】2日(土)のフィーチャーレースは、タイヤ交換義務ありの170km(32周)もしくは60分+1周のフォーマットで午後12時30分に開始された。予選結果のとおり、5番手グリッドからのスタートとなった宮田は、今度はまずまずのスタートダッシュを決めましたが、1コーナーでまたしても宮田のすぐ目の前で接触があり、これを避けた宮田はポジションダウン。すぐにセーフティカーが出されたため、宮田は8位で4周目からの再スタートを切ることとなった。この再スタートでひとつポジションを上げた宮田は、その後ライバル勢がピットインしていく中で順位を上げていき、16周を終えたところでピットイン。新しいタイヤが暖まったところでの追い上げを図ろうとしていたが、19周目にこの日2度目のセーフティカーが導入。この時点で7位につけていた宮田だったが、他のチームとは異なるタイヤ作戦を採っていたことが裏目に出てペースが上がらず、一時は12位まで後退。しかし、レース終盤になり、他の車両もタイヤが厳しくなってきたところで、タイヤをコントロールしていた宮田は追い上げを開始。28周目には9位までポジションを上げ、さらに上位を狙ったが、最後は0.2秒及ばず9位でチェッカー。フィーチャーレースは10位までがポイント獲得となるため、宮田はこのFIA-F2デビュー大会で初ポイント獲得を果たした。宮田莉朋:「昨日のスプリントレースで抱えていたスタートの問題については、チームも昨日のレース終わりから原因を追求してくれて、その結果今日は普通のスタートを切ることができました。しかしその直後の1コーナーで、クラッシュを避けた場所が運悪く順位をうまく上げられませんでした。その後も、タイヤ選択で周りと違う作戦を試みていたのですが、セーフティカーのタイミングなどの運にも恵まれず、ここでも順位を上げられませんでした。でもタイヤマネージメントはそれなりにできたと思いますし、ポイントも取れたので自分としては最低限できたと思っています。当然課題も見えましたし、収穫も得られたので、これをまたチームと一緒に課題を一つ一つ克服して、ステップバイステップでやっていきたいと思います。すぐに来週末はサウジアラビアのジェッダ戦がありますので、また初めてのコースですが一周一周しっかりつかんで良いレースウィークにしたいなと思います。応援ありがとうございました」
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