2020年のF1世界選手権にむけた6日間にわたるF1プレシーズンテストが終了した。昨年は8日間で行われたF1プレシーズンテストだが、今年は22戦のレース数を考えて6日間に短縮。スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで第1週は2月19日(木)から2月21日(金)、第2週は2月26日(水)から2月28日(金)に行われた。
2020年はF1レギュレーションに大きな変更がないため、新車のパフォーマンスは総じて向上。信頼性に関しても、かつてエンジン規約が変更された際ほどの走行に大きな支障をきたすような問題は見られなかった。信頼性・パフォーマンスともにトップに立ったのはメルセデス。第1週にバルテリ・ボッタスが総合トップタイムとなる1分15秒732をマークし、、早くも昨年のF1スペインGPで自身が記録したコースレコードに0.326秒差に迫った。ただし、メルセデスのアキレス腱となりかねないのが、F1エンジンの信頼性だ。1チームあたりの平均で見れば、メルセデス(3756周)、ホンダ(3606周)、ルノー(3596周)、フェラーリ(3457周)とトップだが、カスタマーのウィリアムズを含めて4回のトラブルが発生し、すでにテストで6基のエンジンを使用している。ホンダが、レッドブルとアルファタウリともに1基のエンジンで乗り切ったことを考えれば対照的だ。レッドブル・ホンダは好調なパフォーマンスを見せた。マックス・フェルスタッペンが総合2番手タイムとなる1分16秒269を記録。ただし、ボッタスがC5でのタイムなのに対し、フェルスタッペンはC4でタイムを記録している。ピレリのF1責任者マリオ・イゾラはC5とC4のパフォーマンスギャップは約0.45秒と見積もっている。テストでのタイムは当てにならないというのが定説であり、コンディションやサーキットとの相性もあるので一概には言えないが、同じタイヤであれば、0.087秒差まで迫ったことになる。現時点でパフォーマンスが最も読めないのはフェラーリだ。周回数こそ全チームで最多となる490周を走り込んだが、パフォーマンスは昨年ほど際立っていない。セバスチャン・ベッテルはコーナーリングスピードを上げるためにダウンフォースを増加させた代償としてストレートスピードが失われていることを明らかにしており、場合によってはミッドフィールドに喰われる可能性が危惧されている。そして、注目なのはミッドフィールドだ。第2週ではルノーのダニエル・リカルドがフェラーリのシャルル・ルクレールを上回って3番手タイムを記録。メルセデスW10のコピーであるレーシング・ポイントも優れたパフォーマンスを発揮している。また、マクラーレンとアルファタウリ・ホンダのベストタイムはC4タイヤで記録されたものであり、タイムは非常に拮抗していることがわかる。2020年 F1バルセロナテスト 総合タイム順位ドライバーチームタイムタイヤ週1バルテリ・ボッタスメルセデス1分15秒732C512マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダ1分16秒269C423ダニエル・リカルドルノー1分16秒276C524シャルル・ルクレールフェラーリ1分16秒360C525ルイス・ハミルトンメルセデス1分16秒410C526エステバン・オコンルノー1分16秒433C527セルジオ・ペレスレーシング・ポイント1分16秒634C528カルロス・サインツマクラーレン1分16秒820C429セバスチャン・ベッテルフェラーリ1分16秒841C5210ジョージ・ラッセルウィリアムズ1分16秒871C5211ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ1分16秒914C4212ロバート・クビサアルファロメオ・レーシング1分16秒942C5213ロマン・グロージャンハース1分17秒037C4214ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ1分17秒066C5215キミ・ライコネンアルファロメオ・レーシング1分17秒091C5116ランス・ストロールレーシング・ホンダ1分17秒118C3217ニコラス・ラティフィウィリアムズ1分17秒313C5218ケビン・マグヌッセンハース1分17秒495C5119アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ1分17秒550C4220ランド・ノリスマクラーレン1分17秒573C2221アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ・レーシング1分19秒670C32ドライバー別 周回数&走行距離順位ドライバー周回数走行距離1ルイス・ハミルトン4662169.230 km2カルロス・サインツ4462076.130 km3シャルル・ルクレール4422057.510 km4セルジオ・ペレス4412052.855 km5バルテリ・ボッタス4372034.235 km6マックス・フェルスタッペン4141927.170 km7セバスチャン・ベッテル4021871.310 km8ロマン・グロージャン3991857.345 km9ダニール・クビアト 3991857.345 km10ジョージ・ラッセル3941834.070 km11エステバン・オコン3761750.280 km12ピエール・ガスリー3701722.350 km13ダニエル・リカルド3671708.385 km14アレクサンダー・アルボン3661703.730 km15ランド・ノリス3561657.180 km16ニコラス・ラティフィ3431596.665 km17ランス・ストロール3411587.355 km18アントニオ・ジョビナッツィ3231503.565 km19キミ・ライコネン3001396.500 km20ケビン・マグヌッセン2501163.750 km21ロバート・クビサ112521.360 kmチーム別 周回数&走行距離順位チーム周回数走行距離1メルセデス9034203.465 km2フェラーリ8443928.820 km3マクラーレン8023733.310 km4レーシング・ポイント7823640.210 km5レッドブル・ホンダ7803630.900 km6アルファタウリ・ホンダ7693579.695 km7ルノー7433458.665 km8ウィリアムズ7373430.735 km9アルファロメオ7353421.425 km10ハース6493021.095 kmエンジン別 周回数&走行距離順位メーカーエンジン周回数走行距離1メルセデスM11 EQ Power+1127452480.470 km2フェラーリ0651037148277.005 km3ホンダRA620H721133567.205 km4ルノーE-Tech 20719233478.760 km