2018年のF1世界選手権 第7戦 カナダGPの予選が6月9日(土)にモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われ、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がコースレコードを大幅に更新する驚速ラップでポールポジションを獲得した。ホンダが新スペックのパワーユニットを投入したトロロッソ・ホンダは、ブレンドン・ハートレーがQ2で敗退して12番手、ピエール・ガスリーはQ1で敗退して16番手という結果だった。
現地時間14時。気温は22.6℃、路面温度は44.4℃まで上がり、予選セッションはスタートした。ピレリは、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットに、前戦モナコGPで初投入された最も柔らかいコンパウドであるハイパーソフト(ピンク)を選択。スーパーソフト(赤)、ウルトラソフト(紫)と最も柔らかいレンジの3種類のコンパウンドが選択されている。これまで3回のプラクティスではマックス・フェルスタッペンがすべてのセッションでタイムシートに立つ強さを見せている。F1カナダGPはオーバーテイクが可能なサーキットであり、セーフティカー出動率も80%以上と予選よりも決勝での戦略が重要なレースとなる。今週末、ハイパーソフトはグレイニングが出ており、特に同タイヤを苦手とするメルセデスがQ2をどのタイヤで通過するかが注目ポイントとなった。予選はスタート時からいきなりの波乱。フリー走行3回目に9番手タイムを記録していたロマン・グロージャン(ハース)がピットレースを走行中に大量の白煙をあげてストップ。コースを走ることなく予選から脱落することとなった。ポールポジションを獲得したのはフェラーリのセバスチャン・ベッテル。コースレコードを大幅に短縮する1分10秒764で今シーズン4度目、自身54回目のポールポジション。2番手には0.173秒差でバルテリ・ボッタス(メルセデス)、3番手には0.173秒差でマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が続いた。以下、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、キミ・ライコネン(フェラーリ)、ダニエル・リカルド(レッドブル・レーシング)の順でトップ3チームが上位3列に並ぶ。トップ6は全て昨年のポールタイムを上回った。フェラーリとメルセデスがウルトラソフトで決勝をスタートするのに対し、レッドブル勢はハイパーソフトがスタートタイヤとなり、決勝での戦略が興味深いものになるだろう。F1カナダGPの決勝は6月10日(日)の27時10分(現地時間14時10分)から行われる。2018年 第7戦 F1カナダGP 予選 結果順位NoドライバーチームQ1Q2Q315セバスチャン・ベッテルフェラーリ1分11秒7101分11秒5241分10秒764277バルテリ・ボッタスメルセデス1分11秒9501分11秒5141分10秒857333マックス・フェルスタッペンレッドブル1分12秒0081分11秒4721分10秒937444ルイス・ハミルトンメルセデス1分11秒8351分11秒7401分10秒99656キミ・ライコネンフェラーリ1分11秒7251分11秒6201分11秒09563ダニエル・リカルドレッドブル1分12秒4591分11秒4341分11秒116727ニコ・ヒュルケンベルグルノー1分12秒7951分12秒3951分11秒973831エステバン・オコンフォース・インディア1分12秒5771分12秒0971分12秒084955カルロス・サインツルノー1分12秒6891分11秒9161分12秒1681011セルジオ・ペレスフォース・インディア1分12秒7021分12秒1411分12秒6711120ケビン・マグヌッセンハース1分12秒6801分12秒606 1228ブレンドン・ハートレートロロッソ・ホンダ1分12秒5871分12秒635 1316シャルル・ルクレールザウバー1分12秒9451分12秒661 1414フェルナンド・アロンソマクラーレン1分12秒9791分12秒856 152ストフェル・バンドーンマクラーレン1分12秒9881分12秒885 1610ピエール・ガスリートロロッソ・ホンダ1分13秒047 1718ランス・ストロールウィリアムズ1分13秒590 1835セルゲイ・シロトキンウィリアムズ1分13秒643 199マーカス・エリクソンザウバー1分14秒593 8ロマン・グロージャンハース 【Q1】18分間のQ1。シグナルが青に変わり、各マシンがコースに出ていく中、ロマン・グロージャン(ハース)がピットレースを走行中に大量の白煙をあげてストップ。コースを走ることなく予選を終了することとなった。また、マーカス・エリクソン(ザウバー)がバリアにヒットして脱落。ノックアウトは残り3枠となった。Q1では全マシンがハイパーソフトでアタックを実施。セバスチャン・ベッテルが1分11秒710でトップ通過。2番手にチームメイトのキミ・ライコネン、以下、ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのメルセデス勢、マックス・フェルスタッペンとダニエル・リカルドのレッドブル勢が続き、ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)が8番手タイムでQ1を通過した。Q1でノックアウトとなったのはトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー、ウィリアムズの2台、そして、マーカス・エリクソンとロマン・グロージャンの5台。【Q2】15分間のQ2。フェラーリ勢とメルセデス勢はウルトラソフトでアタックを開始。対するレッドブル勢はハイパーソフトでアタックを実施した。Q2のトップタイムはダニエル・リカルドがハイパーソフトで記録した1分11秒434。昨年のポールタイムを上回った。2番手のマックス・フェルスタッペンもハイパーソフトで記録。メルセデス勢とフェラーリ勢はウルトラソフトでQ2を通過して決勝のスタートタイヤとした。Q2でノックアウトとなったのはケビン・マグヌッセン、ブレンドン・ハトレー、シャルル・ルクレール、マクラーレンの2台となった。【Q3】12分間のQ3。1回目のアタックで1分10秒台に突入。セバスチャン・ベッテルが1分10秒776でトップ、バルテリ・ボッタスが1分10秒857で続く。レッドブル勢は第3セクターで伸びず、1分10秒台に届かない。2回目のアタックではセバスチャン・ベッテルがさらにタイムを短縮してポールポジションを獲得。2番手のバルテリ・ボッタス、3番手のマックス・フェルスタッペン、4番手のルイス・ハミルトンまでが1分10秒台に入れた。