レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、セルジオ・ペレスをすぐにセカンドドライバーから降ろす可能性は低いと認め、その理由として、マックス・フェルスタッペンに挑戦できるほど優れたドライバーがいないことを認めた。今シーズン、セルジオ・ペレスは、グリッド上で明らかに最速のマシンを運転しているにも関わらず、過去3戦連続で予選Q3進出と表彰台を逃し、標準以下のパフォーマンスで批判されている。
そのペース不足と、RB19のフロアの下側を露呈させて注目を集めたモナコでのクラッシュを含めたミスにより、フェルスタッペンのチームメイトとしてペレスを交代させるべきだと声も挙がってきている。今年、レッドブル・レーシングのサードドライバーを務めるダニエル・リカルドは、今週ESPNに対し、レッドブルに戻って復活し、F1キャリアを全うするのは「おとぎ話の終わり」になると語った。ペレスと同じく33歳のリカルドは「様子を見てみよう。おそらくもう少しレベルアップする必要があるだろうけど、ここに戻ってくることができて本当にうれしい」と語った。しかし、マルコは、ペレスの代わりにリカルドを起用するという考えには前向きではないようだ。同じクルマに乗っているフェルスタッペンよりペレスがなぜ1周あたりコンマ6秒遅いのかと質問されたマルコは「マックスはマックスだからだ」とOsterreichに答えた。「彼は最高のマシンに乗っているが、彼についていけるのはせいぜい(フェルナンド)アロンソと(ルイス)ハミルトンだけだ。この3人は単純に最強で、マックスはその中でも際立っている」アルファタウリの両ドライバーもF1最速マシンのシート獲得に向けて本格的な動きを見せていない、 角田裕毅は今季わずか2ポイントにとどまり、ニック・デ・フリースは今季まだポイントを獲得していない2人のドライバーのうちの1人だ。そのため、ペレスについて再び質問されたマルコは、それを“贅沢な問題”と表現した。「我々は贅沢な問題も深刻に受け止めている」とマルコは語った。「しかし、ペレスは期待通りの仕事をしてくれている」「彼はコンストラクターズ選手権の勝利に貢献すべきだし、現在の順位がそれを証明している」とマルコはSport1に語った。「また、彼はベストの状態であれば、まだレースで勝てることも証明している」「彼が十分に優れているかどうかという問題は、我々にとっては起こらない。なぜなら、マックスはどんどん良くなっていて、自分自身に問いかけなければならない質問はむしろ別のものだ。代わりに誰がいるだろうか?」「今、本当にマックスに挑戦できる人はいるだろうか?正直に言うと、誰もいない」逆にホンダがアストンマーティンに乗り換えることで、ホンダの繋がりでF1シートを獲得した角田裕毅、そして、結果を残していないデ・フリースを擁するアルファタウリのドライバーに変化が見られることになるかもしれない。レッドブル陣営に近いF1レジェンドのゲルハルト・ベルガーは、リアム・ローソンを次のF1ドライバー候補とみている。「彼(ローソン)は次にレッドブルのプールからF1に登場するドライバーだ」とベルガーは予想した。リアム・ローソンは、今年初参戦した日本のスーパーフォーミュラで2勝を挙げてランキング2位につけている。マックス・フェルスタッペンと談笑するリアム・ローソン