レッドブル・レーシングのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、2022年F1ブラジルGPのスプリントを振り返った。耐久性に勝るタイヤでのレース終盤のアドバンテージを狙い、マックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤで24周のスプリントをスタート。フェルスタッペンはスタートを上手く決めたが、ソフトタイヤでスタートしたポールシッターのケビン・マグヌッセン(ハース)がより優れた発進を見せてリードを守ったまま “セナ・S” に飛び込んだ。
マックス・フェルスタッペンは2番手を維持したが、後方からラッセルのプレッシャーにさらされる。その後方ではセルジオ・ペレスが良いスタートを決め、エステバン・オコンとフェルナンド・アロンソのアルピーヌ勢同士が接触しアロンソがポジションを落とす中、シャルル・ルクレール(フェラーリ)を抑えて8番手につけた。先頭では3周目にマックス・フェルスタッペンがマグヌッセンに接近し、ターン1進入で首位を奪取。マグヌッセンのリードはわずか2周で終わった。セルジオ・ペレスも猛追を続け、ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)をかわすと8周目にDRSでランド・ノリス(マクラーレン)に迫り、6番手に浮上。ペレスは続いて急激にポジションを落としていたマグヌッセンに迫ると手早くパスして5番手を奪い、約4秒先を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)を追い始める。マックス・フェルスタッペンは思い通りに後続を引き離せず、12周目に入るとラッセルがターン1でアタックを仕掛ける。フェルスタッペンは最初の攻撃をしのぎ、その後のターン4での2度目のアタックも抑え込む。しかし、アドバンテージを持っていたのはソフトタイヤで好ペースを維持していたラッセルだった。フェルスタッペンは巧みに防御を続けていたものの、15周目のターン1でラッセルに再び仕掛けられると、ターン3からの加速で並びかけられ、“デシーダ・ド・ラゴ” へのブレーキングでついに首位を奪われた。マックス・フェルスタッペンはソフトタイヤを履いたライバル勢に対して防戦一方の展開となり、やがてサインツからも攻撃を受けることになる。サインツは際どいムーブでフェルスタッペンに仕掛けるが、フェルスタッペンの反撃を防ごうとしたときに右リアタイヤがフェルスタッペンのフロントウイング左端に接触。フェルスタッペンは翼端板を失ってしまった。エアロスタビリティが失われ、さらにタイヤの性能低下にも見舞われたマックス・フェルスタッペンはたちまちハミルトンの射程圏内に捉えられ、終盤はなす術もなくトップ3から引き離されていった。しかし、マックス・フェルスタッペンはチェッカーフラッグまで持ち堪え、かろうじて4位でフィニッシュ。セルジオ・ペレスは5位まで猛追した。6位にはペレスと選手権2位の座を争っているルクレールが入り、7位にはノリスが続いた。最後の1ポイントが得られる8位には予選ポールポジションのマグヌッセンが入った。「ソフトの機能領域が狭いと感じていたので、ミディアムでスタートすることにした。スプリントの前半を耐え凌げれば問題ないと見込んでいた」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「しかし、実際に走らせてみると、デグラデーションが想定よりも悪いことが明らかになった。さらに今日のメルセデスは速かった。この2つの理由から、メルセデス勢を抑えることができなかった」「メルセデスはシーズンを通じてマシンの開発を続けており、継続的にアップデートを投入しているので、シーズン後半に向けて差を縮めてきている」「ソフトの方が正解だったと思うが、明日の決勝でソフトを1セット多く持ち込めるアドバンテージが得られたので、今日戦術に諦めた部分は明日取り返すことができる。メルセデスは明日も速いはずで、抜け目のないレースを仕掛けてくるだろう」「レッドブル勢とメルセデス勢のバトルにフェラーリが加わってくる明日は目が離せないレースになるはずだ」
全文を読む