レッドブル・ホンダF1は、シルバーストンでのプライベートテストでクモの巣を振り落としただけでなく、RB16でいくつかの新しいパーツをテストした。メルセデスやフェラーリは、100kmの制限のある最新F1でのフィルミングデーではなく、2018年F1マシンでテストをすることを選択したが、それができないレッドブル・ホンダF1はRB16でテストを実施した。
マックス・フェルスタッペンは、イギリスの入国者に対する14日間の検疫措置のためテストに参加しなかったが、チームメイトのアレクサンダー・アルボンがRB16でステアリングを握った。レッドブル・ホンダF1は、新型コロナ対策として導入される新しい安全プロトコルだけでなく、いくつかの新しいパーツを試しており、少なくとも3つのアップデートが確認されている。1つはプレスフォトでも確認できるアップデートとしてはフロアに垂直デフレクターが追加がある。ラピッドプロトタイピングで制作されたフロアの穴を完全に囲むように平行に設置されたハリネズミスタイルのフィンは、気流をリアタイヤに向けてダウンフォースに利点をもたらすと理解されている。また、追加の報道によると、レッドブル・ホンダF1は「バージボードのフットプレートの前面に向かって取り付けられたフィンの形状、数、位置にも取り組んでいた」とされる。これにより、通過する気流の動作が変化する。さらに「上部サイドポッドウィングの前縁とサイドインパクトスパーを収納するミッドウィングに合法スロットのクラスターが追加された」と分析されている。また、レッドブル・ホンダF1はテスト中に「フロントウィングの屈曲と回転」も分析していたと報じられている。今季、フロントウイングのたわみテストはより厳格に行われる。新型コロナウイルスが猛威を振るったことで、F1チームのファクトリーは63日間の強制シャットダウンとなったが、7月5日のオーストリアGPには、プレシーズンテスト後から開発が進められていたアップデートが投入されることになる。そして、開幕戦で投入されたシャシーでいったん開発は凍結となる。レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、開幕戦に投入されるRB16は「テストされていないアップグレードがある。我々は2つのレベルをスキップした」と2つのアップグレードをスキップしたものになると語っていた。アップデートが加えられるのはRB16のシャシーだけではない。ホンダのF1エンジンにもアップデートが加えられている。ホンダF1は、当初の開幕戦であるオーストリアGPで投入する予定だったパワーユニットを進化させた『スペック1.1』でシーズンを戦うことになる。「本来はスペック1、スペック2、スペック3という3段階で戦う計画で、本来オーストリアGPでスペック2を投入する計画だった。そこから大きくは変化していない。オーストリアに持ちこむのはスペック1から少し進化したスペック1.1を持ち込む」とホンダF1のパワーユニット開発責任者を務める浅木泰昭は語った。スペック1.1の進化具合はバグ修正程度と語ると浅木泰昭だが、それでも「1年で伸びると想定していたパワーの3分の1くらいは伸びていると思う」と語っている。
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