レッドブルとホンダF1はパートナーシップ初年度から良好な関係を築いているが、それを表すひとつのエピソードをホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が明かした。今年、レッドブルはルノーとの12年のおよぶパートナーシップを解消し、ホンダのF1エンジンに変更。“移行の年”ではあったものの、初年度から3勝を挙げ、ポイント数でもルノーのF1エンジンを搭載していた昨年に匹敵する成績を収めた。
ホンダのF1エンジンは、信頼性、パフォーマンスともに大きな進化を遂げたが、レッドブルが感銘を受けているのはそれだけではない。ホンダF1の田辺豊治は、レッドブルの幹部から意外な言葉で感謝を伝えられたと明かす。「ホンダと組むようになってから、ホンダはきとんとPU(パワーユニット)を準備してピットクルーの帰りが早くなった」と伝えられたと田辺豊治は語る。「帰るのが早くなったことで、日曜日(決勝)に向けて疲れがたまらない。そのおかげであの結果に結びついた。ある意味、ひとつの大きな要素であったということを言われまして、そういう目で自分たちの仕事を見たことはなかったんですけど、非常に嬉しく思いました」今年、レッドブルは、ホンダと組んだことでチームに余裕が生まれ、史上最速ピットストップを相次いで更新した。また、レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダのF1エンジンのポテンシャルはルノーよりも高いと断言する。「もちろん、我々は長年にわたってヴィリー(ルノーのエンジン本部)から非常に多くのスプレッドシートを見てきたが、そららのシートにポテンシャルがあると認識したことはなかった」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「今年は約束されていたものが全て完全に届けられた初めての年だ。とにかく異なる環境であり、異なる種類のパートナーシップだ。真のパートナーシップであり、彼らが結果を出したとき、ポールポジションを獲得したとき、そして、勝利を手にしたとき、ビジネス全体を通して感情、プライド、満足度を得たとき、それがホンダにとって何を意味するかを見ることができた」「このV6ターボハイブリッド時代におけるルノーとの以前のパートナーシップは非常に異なるパートナーシップだと思う。ホンダが各エンジンを導入するごとの進歩、そして、我々の燃料パートナーとともに、全体のことが調和して機能していた」「常にカスタマーであることを思い知らされながら戦うのではなく、本物のパートナーシップだった。そして、彼らは我々と同じ目標と目的を共有している。その利益は皆さんも目にしていると思う」