レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダF1とのワークスパートナーシップによって、これまでのルノーとのカスタマー契約では得られなかった感覚を得ることができたと語る。レッドブルは、ルノーとのパートナーシップで2010年から2013年にF1ダブルタイトルを4連覇する成功を収めた。しかし、V6ターボハイブリッド時代に突入するとルノーのF1エンジンは苦戦を強いられ、2016年にルノーがワークスチームとしてF1に復帰するとその関係は悪化していった。
レッドブルは、ルノーのF1エンジンのパフォーマンスと信頼性の進歩の欠如に不満を募らせて、パートナーシップ晩年はメディアを通して舌戦を繰り広げた。レッドブルは、ホンダF1とマクラーレンが決別したタイミングを利用して2018年にジュニアチームであるトロロッソとホンダF1と提携させ、今年のホンダF1とのパートナーシップに先立ってホンダのF1エンジンを評価することができた。そして、2019年にレッドブルはチーム史上初めてファクトリーチームになった。ルノーとのパートナーシップ時代に最大の弱点となったのは信頼性だった。特に2018年はダニエル・リカルドが8戦でリタイア。“呪われたクルマ”だと語るに至った。だが、今年はホンダのF1エンジンによるリタイアはなく、相乗効果としてシャシー側の信頼性も高まった。「ホンダはそのために十分なエンジンを提供してくれている」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「それによって限界までマシンのすべてのコンポーネントをテストできる。そのため、特定のピークがどれくらいの期間持続するかについて詳しく学ぶことができる。我々は、弱点がどこにあるかを十分に把握し、それらを整理することができる」「エンジンパートナーの焦点がレッドブルに向いているというのはまったく新しい感覚だ。我々はそれを知らなかった。常にカスタマーにすぎなかったからね。ホンダは、我々のドライバー、シャーシのためにエンジンを最適化している」マクラーレンとのパートナーシップの評判により、レッドブルがホンダのF1エンジンを搭載することについて懐疑的な目があったのは事実だ。しかし、クリスチャン・ホーナーは「勇敢だが、正しい決断だった」と語る。「2台目の車は以前に比べてわずかに落ちらものの、過去2年間よりも多くのポイントを獲得した。我々はレースに勝ち、ポールポジションとファステストレースラップを達成した。 2019年が移行期になることは明らかだった。エンジンパートナーとの12年の後、まずは新しいメーカーにすべてを持ち込まれなければらなかった」「振り返ってみると、我々は非常に良い方向にいるとしか言えない。パフォーマンスが向上し、信頼性に優れ、コミニュケーションも機能している。 2020年にトップに立つためのものが構築されていると感じている」マクラーレン・ホンダ時代、ホンダとマクラーレンの最大の問題は文化の違いとも言われていた。しかし、クリスチャン・ホーナーはコミュニケーション面でまったく問題はないと語る。「ホンダのヨーロッパの拠点は、ミルトンキーンズのファクトリーのすぐ近くにある。文化の違いについて話すつもりはない。我々は思ったよりも似ている。ホンダには、我々と同じ情熱と成功への決意がある」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「さくらのモータースポーツ部門を見れば、彼らは私が話していることを把握している。F1はホンダのDNAの一部だ。ホンダは我々にとって完璧なパートナーだ」「今年は以前から約束していたものが届けられた初めての年だった。異なる種類のパートナーシップであり、本物のパートナーシップだ。ホンダが結果を出すことがどのようなことを意味するかを見ることができる。感情、誇り、ビジネス全体の満足度だ」