レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1が2019年から導入する新型フロントウイングによってオーバーテイクが改善することはなく、コストが増加するだけだと断言する。F1は、マシン同士がより接近したレースを実現することを目指して、空力レギュレーションを変更。フロントウイングの形状は単純化され、翼幅が大きなものに変更される。
だが、F1チームによるレギュレーションでは、期待に見合った数字は出ていないと Auto Motor und Sport は報じている。「新しいレギュレーションにも関わらず、F1チームはすで2019年のCFDシミュレーションで2018年のダウンフォースレベルに到達している」と同紙は伝えている。「レッドブルは1500万ユーロの追加コストを費やしているが、オーバーテイクへの影響はゼロだと考えている」ヘルムート・マルコは、ミルトンキーンズのCFDシミュレーションの予備結果でそれを確認している。「我々のシミュレーションは何も変わらないことを示している。オーバーテイクは同じくらい難しい。全体の活動にお金がかかるだけだ」また、ヘルムート・マルコは、より幅が広く深いフロントウイングは、ホイール・トゥ・ホイールのバトルにすぐに副次的なダメージを与え、結局2021年には再び幅の狭いデザインへ戻すことが必要になると考えている。「我々は再びこのような当てずっぽうなことをするわけにはいかない」とヘルムート・マルコは主張した。トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストも、ヘルムート・マルコの懸念に同調している。「風洞の人々と話をしたが、彼らはオーバーテイクがはるかに容易になるとは考えていない」とフランツ・トストはコメント。「来シーズンの序盤にはチームは今と同じようなダウンフォースレベルに達してると思う」今シーズンの序盤、レッドブル・レーシングのチーム代表フランツ・トストは、2019年のルール変更は必然的に開発コストを引き上げることになると警告していたが、それが正しかったことが実証されたと語る。「我々はコストと筋道について話をしているが、導入されるのは完全に新しいコンセプト、完全に新しいクルマであり、数百万ポンドのコストがかかる」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「理論的なエビデンスや結論がなく、チーム側にコスト負担を科すような決断にはとにかくフラストレーションを感じる」「来年、クルマがより近づけることが保証させるだろうか? おそらくないだろう」
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