レッドブル・エアレース 第3戦 千葉が5日(土)に開催され、日本人パイロットの室屋義秀が地元ファンの前で悲願のキャリア初優勝を果たした。室屋義秀の1:04.992という素晴らしいタイムは、プレッシャーの中でも高精度なフライトができる彼の並外れた実力とファンのサポートの重要性を改めて証明することになった。
ファイナル4に1番手で登場したのはナイジェル・ラム。1:04台のタイムを狙っていたラムだったが、クリーンでスピーディなフライトだったにも関わらず、結局そのタイムには届かず、1:05.734で終えた。ラムに続く2番手として登場したのが室屋義秀だった。この日を通じて徐々に調子を上げてきていた室屋義秀は、素晴らしい集中力とスピードでミスのない完ぺきなフライトを披露すると、ラムをかわして首位に立った。この結果、室屋義秀は表彰台フィニッシュを早々に決め、更に残り2人のパイロットのタイム次第では優勝の可能性も見えてきた。その室屋義秀に続いて3番手で登場したチャンブリスは、久々の表彰台上位を目指してアグレッシブなフライトを披露。バーチカルターンやスプリットタイムで瞬間的に室屋義秀のタイムを上回ったが、後半に失速して1:05.618に終わり、ラムのタイムは上回ったものの、室屋義秀を上回ることはできなかった。この結果、室屋義秀と彼のチーム、そして日本のファンの長年の夢が叶うかどうかは4番手のマルティン・ソンカ次第となった。5万人のファンが固唾を呑んで見守る中、ソンカもプレッシャーの中でアグレッシブに攻め立て、最初のスプリットタイムで室屋義秀を上回る気概を見せたが、チャンブリスと同じく後半に失速して2位。この瞬間に室屋義秀の初優勝が決定した。悲願の自国優勝を成し遂げた室屋義秀が涙で目を光らせながらチームとファンに感謝の気持ちを述べる姿は、素晴らしい天候と雰囲気に恵まれた第3戦千葉にふさわしい感動のフィナーレを演出した。室屋義秀 (優勝)「とてもスペシャルな気分です。準備は整っていましたし、チームはハードワークを重ねてくれていました。マルティン(ソンカ)とのタイムは僅差でしたが、ファンの後押しが優勝に導いてくれました。25年のキャリアで初優勝ということで、随分長い時間がかかりましたが、最高の気分です。自分とチームにとって大きな記録になりました。ビールを飲んで祝いたいと思います!」
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