レーシング・ポイントF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールは、アストンマーティンの買収候補を行っている投資家のなかで最も進んだレベルにあると報じられている。英国のスポーツカーメーカーであるアストンマーティンは、現在、レッドブル・レーシンングのタイトルスポンサーを務めているが、カナダの大富豪であるローレンス・ストロールが買収に興味を示していると報じられている。
Financial Times は、アストンマーティンがすでに潜在的な投資家と交渉を行っており、ローレンス・ストロールに加えて、フィアットとプジョーなどのライバル自動車メーカー、中東、インド、中国の投資家も株式の買収に興味を示していると報道。中でもストロールとの交渉が最も進展していると報じている。「交渉に関しては、現時点でストロール氏との交渉が最も進んだレベルにある」と同紙は伝えた。アストンマーティンも資金調達について株式の買収も含めて投資家との交渉を行っていることを認めている。「同社は、資金調達要件と様々な資金調達オプションを検討していることを確認する。また、株式投資を含む場合も含まない場合もある長期的な関係の構築に関連して、潜在的な戦略的投資家との初期段階の議論を行っている。必要に応じて、さらなる発表が行われる」とアストンマーティンは声明で述べている。106年の歴史を持つ英国の高級スーパーカーブランドであるアストンマーティンだが、ロンドン証券取引所で株価で下落している。アストンマーティンは、欧州とアジアでの需要の減少により、通年の販売台数が減少していることを認めており、来年、アストンマーティンは、SUVモデルであるDBXを史上に投入するが、会社の財政状況を好転させるには強力な販売が必要となる。昨年ロンドンの株式市場に上場したアストンマーティンだが、その価値が低下しており、株価は発売時の19ポンドから5ポンド前後に下落し、2019年上半期で8,000万ポンドの損失を出している。ローレインス・ストロールは、トミー・ヒルフィガー、ピエール・カルダン、ラルフローレン、アスプレイなどの投資から20億ポンドを超える資産価値があると推定されている。彼の有名な自動車のコレクションには、世界で最も価値のあるクラシックフェラーリのコレクションが含まれている。ローレンス・ストロールがアストンマーティンの主要株主となった場合、レーシング・ポイントF1チームは完全にアストンマーティンのF1チームになる可能性があると報じられている。その際にはチームは伝統のブリティッシュ・グリーンのカラーリングを纏うことになるという。レーシング・ポイントF1チームの広報担当は「憶測や噂についてはコメントしない」と言及を避けている。