ポルシェの911 RSRにとって富士スピードウェイでのデビュー戦となった10月20日(日)のWEC世界耐久選手権 第6戦の決勝レースは、激しい雨のためセーフティーカー先導でスタートを試みたが、3度目の赤旗中断により、そのままレースは予定より1時間半短縮され成立した。セーフティーカー先導であっても、周回数としてカウントされるというWECのレギュレーションにより、ポルシェ ワークスドライバーのイェルク・ベルクマイスター/パトリック・ピレ組はGTE-プロクラスで3位に入賞した。
同じくポルシェワークスドライバーのマルク・リーブ/リヒャルト・リーツ(オーストリア)は4位でレースを終えた。マルコ・ウジュハシ(911RSRプロダクトマネージャー)「なぜこのタイミングでレース短縮が決定したのかが理解出来ません。この決定が下る前の45分間、雨は弱まっていたので、レースを行うことは可能でした。レースを中断するには早過ぎました。今日のようなコンディションでは、ワン・ツーフィニッシュのチャンスがあったと考える我々にとって、この決断は納得し難いものです。911RSRは特にウェットでも速く、トラクションも非常に優れています。タイトル争いのリーダーに立つ機会を失ったのは非常に残念です。」イェルク・ベルクマイスター(#91)「集まってくれたたくさんの観客に対して申し訳ない気持ちで一杯です。彼らは我慢強く待ってくれましたが、レースを見ることはできませんでした。レースを再開するタイミングはありましたが、安全を理由としたレースディレクターの判断には従うしかありません。」パトリック・ピレ(#91)「我々は最後までレースがしたかった。我々にとっても観客にとってもレースが中断されたのは残念です。日本でレースができなかったのはガッカリですが、気持ちを切り替えて次の上海に望みます。」マルク・リーブ(#92)「本当に残念で仕方ありません。まさに雨向きのクルマといえる911RSRは、セーフティーカーランの最中でさえ何の問題も感じませんでした。最初の2度の中断に関しては仕方ありませんが、その後中断されていた2時間の間、我々にはレースを再開できるタイミングはありました。しかしライバル達にとって、そうではなかったためレースが短縮されたようです。ミシュランが素晴らしいレインタイヤを開発してくれたにも関わらず、レースをする機会さえ与えられませんでした。」リヒャルト・リーツ(#92)「待ち望んでいた雨でした。このような難しいコンディションでも我々は素晴らしいレースが出来たと確信しています。レースが可能な状況にも関わらずレースが行われることはありませんでした。我々はウェットタイヤの開発に力を注いできましたが、ライバル達は違ったようです。」