2019年のF1世界選手権 最終戦 アブダビGPの各ドライバーのタイヤ選択をF1公式タイヤサプライヤーのピレリが発表した。ピレリは、2019年のF1世界選手権から新しいタイヤ命名システムを導入。ドライコンパウンドは7種類から5種類への削減され、最も硬いものをC1(コンパウンド1)、最も柔らかいものをC5(コンパウンド5)と名付け、各レースでハード(ホワイト)、ミディアム(イエロー)、ソフト(レッド)として配分する。
アスファルトが滑らかなヤス・マリーナー・サーキットではC3(ハード/ホワイト)、C4(ミディアム/イエロー)、C5(ソフト/レッド)という最も柔らかいコンパウンドが選択された。レースではC3とC4のいずれか1セットを使用されなければならない。また、C5は予選Q3で使用しなければならない。残りの10セットはチームが自由に選択できる。3強チームでは、メルセデスとフェラーリが同じ選択。ソフトを8セットとし、ハードを1~2、ミディアムを3~4とドライバー間で分けている。レッドブル・ホンダはソフトを9セットと全チームの中でも最多の選択。ハードは1セットとし、ミディアムを3セットとしている。トロロッソ・ホンダとウィリアムズもソフトを9セット選択しているが、ハードを1~2セット、ミディアムを2~3セットとドライバー間で分けている。F1アブダビGPは、夕方から夜間にかけて行われる。したがって、レースの進行とともに路面温度が下降し、タイヤ動作のパターンが通常とは異なる。この点は、戦略の計算にあたって、各チームが考慮する必要がある複雑な要素となる。午後5時にスタートする決勝の進行とともに気温と路面温度が下降することから、路面上のスピードは徐々に速くなる。燃料搭載量の減少もスピードアップを後押しする。前レースのインテルラゴス同様、アブダビも反時計回りのトラック。反時計回りは比較的少ないため、時にドライバーに肉体的負担を強いることになる。サーキットの前半部分は、ノンストップコーナーの連続で構成されており、タイヤコンパウンド温度を上昇させる。その後、マシンが約15秒間フルスロットルで走行する長いストレートで、コンパウンドはクールダウンされる。このストレートでは、約800kgに相当するダウンフォースが発生する。