ピレリは、2021年に導入される18インチのF1タイヤのテスト計画の確定に近づいており、今年の9月後半から開始する予定としている。ピレリは、2023年までF1に単独でサプライヤーとしてタイヤを供給することが決定しており、2020年末で現在の13インチから18インチにF1タイヤを切り替える。
ピレリは、今年後半から2018年F1マシンを18インチ使用に改良した“ミュールカー”を使用して数回のテストセッションを実施し、2020年には新しいプロダクトで本格的なテストを行っていく。最近の報道では、グリッドで最も遅いウィリアムズがピレルのプログラムのために必要なハードウェアを供給すると言われていたが、リソース不足によってそのシナリオは実現しないともされている。「我々はミュールカーについてチームと話し合っている」とピレリのカーレーシング責任者を務めるマリオ・イゾラはコメント。「まだ確定はしていないが、解決策はあると信じている。2019年9月からミュールカーでテストを行っていく可能性がある」「18インチのために2018年F1マシンを改良した本格的なミュールカーを用意することが我々にとって非常に重要だ」「今年は開発をスタートさせるために合計6日間の3回のセッションを持たなければならない。大きな変更だし、18インチは簡単に設計できるものではない」「ミュールカーを提供してくれるチームが複数いれば、チーム間でセッションを分ることができるだろう」マリオ・イゾラは、できるだけ簡単に進めていくためには9月のプログラムにむけてスケジュールを前倒しで進めていくことが重要だと語る。「非常に重要なことだ。クルマのパフォーマンスレベルを考慮に入れて、確実に良いプロダクトを供給する必要がある。テストを見直して、必要であれば変更を加える機会を得るためにもシーズン後半から開始する必要がある」「例えば、タイアのプロファイルの変更に迫られた場合位、新しい型を作らなければならない。それには時間がかかる」「それらすべてを考量すれば、9月、10月、11月にテストを実施することが重要だ」「だが、今年、それ以外のチームがテストをしないことが影響を及ぼすことはない。我々は全チームに全てのデータを提供している」テストプログラムは全チームに参加する機会が与えられるが、マリオ・イゾラは限られたチームの参加になっても問題はないと語る。「いつものように我々は全員にテストの可能性を提供する。どうするかは彼らの決定だ」とマリオ・イゾラはコメント。「2019年に数チームしかテストできないとしても問題ではない。2020年には全チームに再びミュールカーを造る機会を提供する。もし、チームが今年クルマを提供しないとしても、来年がキャンセルされることはない。来年は再びゼロからオファーを開始する」「来年は25日間のテストがあり、すべて18インチタイヤのテストに専念する。来年は全てのチームではないにしろ、もっと多くのチームがミュールカーを用意することになるだろう」