ピレリの新型18インチ・コンセプトタイヤが、シルバーストンで注目の的になった。9日(水)の午前、ロータスF1チームのリザーブドライバー、シャルル・ピックが駆るマシンとともに、18インチ・コンセプトタイヤはそのデビューを飾った。シャルル・ピックは、午前9時過ぎ、新型18インチタイヤを装着した現行ロータスE22でコース入り、シルバーストンサーキットで14周を走行した。
このコンセプトタイヤは、性能面よりも主に美観をデモするために設計された汎用性の高いコンパウンドになっているため、ラップタイムではなく、これまでと全く異なる新しいデザインに対応する反応を測ることに目的が置かれてた。大半のオブザーバーから肯定的な反応が寄せられている。新型タイヤは、ミラノ本社におけるピレリのプラミアム戦略に基づいて設計・開発された。18インチタイヤの鍵となる技術的アドバンテージは、タイヤの剛性を高めやすく、空気圧の変化幅を少なくする、より硬くなったサイドウォール。(タイヤ内部の空気も少なくなる。)新型タイヤは、物理的に大きくなり、公道用のウルトラ・ハイパフォーマンスタイヤとの関連性が高まり、技術の転用が加速される。今回テストされた新型タイヤは、現行13インチタイヤと同じタイヤ幅(フロント:245mm、リア:325mm)だが、直径は30mm大きくなっている。直径は大きくなっているもののサイドウォールが薄くなっているため、タイヤ重量は、13インチタイヤとほぼ同じ。リムを含む総重量は、13インチやタイヤよりも約4kg重くなっている。ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)「ロータスに装着された新型タイヤは実に素晴らしく、既に世界中からこのタイヤに関する反応が得られています。今回のタイヤはコンセプトプロトタイプに過ぎませんが、各チームからのタイヤサイズ拡大の要望があれば、このまま開発を進め、比較的短期間で製品レベルのタイヤを製造することが可能です。これまでにも既に多くの意見をいただいていますが、今後も様々な意見が得られることを楽しみにしています。性能面は決して今回のプライオリティではありませんでしたが、新型タイヤは、まさに我々の期待に沿った動作を示しました。それは、ホイールとタイヤのサイズに関するルールが長い期間変わらない中にありながら、結果的に大きな開発カーブの端緒に就いたことを明示しています。新型タイヤが注目の的になりましたが、フェラーリ、マルシャ、ロータス、レッドブルとともに行った2日間のタイヤテストによって、来年に向けた大量の開発作業を短期間でマネージすることができました。これまでに行われたバーレーンとバルセロナでのタイヤテストから多くのことを学んでいますのが、今回、厳しい高速サーキットで、2015年シーズンへ向けて、より的を絞った大量の作業を行うことができました」