キャデラックF1は、2026年のドライバーとしてセルジオ・ペレスを起用した理由について、外部からの「人気頼み」「スポンサー頼み」といった声を完全に否定した。ペレスは昨季限りでレッドブルを離れ、2025年はシートを失った状態だった。しかし、リアム・ローソンと角田裕毅がフェルスタッペンの隣で苦戦したことで、むしろペレスの評価は再浮上していた。
夏休み後、キャデラックはバルテリ・ボッタスとのコンビでペレスの復帰を正式発表したが、両者とも30代後半という“高年齢ラインアップ”に対しては賛否が分かれていた。キャデラックF1代表のグレアム・ロードンは、ESPNの取材に対し、ペレス起用の基準はあくまで「実力」だと明言している。ロードンは「チェコを選んだのは彼の実力だ。非常に速いドライバーであり、我々のチームづくりに貢献してくれている」と語り、人気や商業的価値は“結果的に嬉しい副産物”だと強調した。ペレスは昨年アブダビ以来F1マシンを走らせていないものの、近日中にフェラーリSF-23でテストを実施する予定だ。ロードンは、人気面についても前向きな姿勢を示しつつ、「彼を選んだ理由は速さに尽きる」と繰り返した。さらにロードンは、新チームがF1に登場する稀有さを強調し、「チェコの全てのファンに、我々の旅に参加してほしい」と語るなど、チームとしてファンベースを取り込む姿勢も示している。一方で、キャデラックがペレスに期待するのは単なるスピードだけではない。中団に長く身を置き、フォースインディア時代から“予算規模以上の結果”を出し続けてきた実績。複数チームでの経験、トップチームで直面した環境や要求水準――こうした「経験値」こそ、参入初期のチームにとって最大の財産になるとロードンは語る。「チェコが持つスピードはもちろん知っているが、それだけではない。複数のチーム、そしてトップチームで培った経験を、我々の構築に生かしたい」と述べ、新興チームとしてのロードマップにおいてペレスが“即効性と指針”を兼ね備えた存在であることを強調した。キャデラックF1は2026年に向けて開発が進む中、ベテラン二人のコンビに明確な意図を持っている。経験とスピードを武器に、参入初年度から存在感を示せるかどうかが焦点となりそうだ。
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