Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、アジア/オセアニア・ラウンドの初戦をタイのチャーン・インターナショナル・サーキットでスタート。ふたりは午前中のフリープラクティス第1セッションで1-2を獲得。午後からの第2セッションでも好調を維持し、それぞれ総合2番手と9番手で初日を終えた。
ビニャーレスは順調にウイークをスタート。第1セッションの序盤からペースを上げ、1分32秒台を連発して6番手に浮上した。そのまましばらくポジションの変動はなかったが、セッティングを調整しセッション終盤にタイムアタックを試みると1分31秒220へ更新。これで2番手以下に0.270秒の差をつけトップに立った。第2セッションも同様に好調をキープ。周回を重ねるごとにマシンのフィーリングが向上し、少しずつペースも上がってゆく。しかし数台がタイムアタックを始めたところで転倒車があり、レッドフラッグが提示されてセッションは中断。再スタート後の残り12分では当初は8番手にとどまったが、再びアタックを行い暫定トップに浮上した。最終的には0.031秒差で逆転されたものの、1分31秒121のタイムで2番手となっている。一方のロッシはコースを観察しながら慎重なスタートを切った。第1セッション序盤はベースセッティングを追求し、後半で好感触をつかむと終盤で1分32秒台をマーク。そこからはラップごとに自己ベストを更新して1分31秒490のベストラップを記録し、これでビニャーレスに0.270秒差と迫る2番手に浮上し、ヤマハの1-2となった。第2セッションでは新型カウルを初めてテスト。赤旗中断後のセッション終盤にはそのフィーリングにも慣れてきたため、リアにソフトタイヤを装着してタイムアタックを開始した。まもなく1分31秒528を記録して2番手に浮上。さらに1分31秒398へと短縮したが、全体のペースが上がるなかでポジションをキープすることができず9番手に後退した。トップとの差は0.308秒。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは、チャーン・インターナショナル・サーキットで行われた初めてのフリープラクティスでトップから0.566秒差の6番手を獲得。フリープラクティスの第2セッションではラップタイムを更新してトップとの差を0.331秒まで縮めたが、順位では10番手に下げてウイーク初日を終了した。チームメイトのハフィス・シャーリンは第1セッションで少しずつリズムをつかみ、午後からの第2セッションでは0.593秒ほど短縮。ザルコから0.756秒遅れの18番手につけており、明日の午前中に行われるフリープラクティス第3セッションでさらなるペースアップを目指す。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (フリー走行総合2番手/1分31秒121)「第1セッションでトップ、第2セッションで2番手を獲得することができました。まだ1日目なので、これを決勝でも再現できるというわけではありませんが、前回のアラゴンと比べれば、フィーリングはずっとよくなっていることは確かです。セッティング変更がうまく機能していおり、少なくとも僕の場合はハード・タイヤでよい走りができました。開幕前のテストやこのところの数戦とは感覚がまったく異なっています。これまでとは違う方向へと進んでいて、その結果として今日の両セッションで好結果を導き出すことができたのです。明日はさらに前進できるよう期待します」バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合9番手/1分31秒398)「午前中のセッションではマーベリックと僕が1-2を獲得し、予想よりもよい結果となりました。しかしこのときはセッション終盤で多くのライダーが新品タイヤを使っていなかったのです。マーベリックは午後からの第2セッションでも好タイムを記録。僕のほうは何度かミスもあり、あまりいいタイムを出すことができませんでしたが、それでも10番以内に入れたのは良かったと思っています。課題はいくつかあり、とくにリアタイヤの選択が重要な鍵となりそうです」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「大きな成果を見ることができました。ライバルに追いつくために初日を好調にスタートする必要がありましたが、今日はそれを達成できました。アラゴンのあと対応策を練ってきた成果が現れたのだと思います。私たちはフリープラクティス第1セッションでベースとなるセッティングを作り上げ、ライダーたちが気持ちよく乗れるようになったことで1-2を獲得。これがチームの自信につながりました。そこで午後からのセッションでは新型カウルとタイヤオプションのテストを行いました。オフシーズン中のテストのときとはスペックが異なっているので、これはどうしても必要な作業でした。全体的には順調に初日を終えることができたと思っていますが、まだ判断するには早すぎるでしょう。明日もこの好調を維持できるようハードワークを続けます」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (フリー走行総合10番手/1分31秒421)「ウイーク初日としては順調です。ここブリラムでの走りを楽しむことができています。フリープラクティス第1セッションは上々のできだったので第2セッションではユーズドタイヤを試してみましたが、このときは、あまりフィーリングはよくなく、苦戦することとなりました。しかし敢えてこのようなトライをして、チームとともに問題を解決したかったのです。最後にはニュータイヤを履いてラップタイムを更新。10番手とぎりぎりのところでしたが、何とかそこに入れたことはよかったと思います。トップとの差はわずかコンマ3秒ほどで大勢が非常に接近しています。この暑さのなかではマシンのフィーリングがとても重要なので、それを重視しながらさらに上を目指します」ハフィス・シャーリン (フリー走行総合18番手/1分32秒177)「フィーリングはよく、ラップタイムもかなり速かったのですが、ポジションアップにはつながりませんでした。マシン自体は好調なので、あとはコーナリングとコーナー立ち上がりのパフォーマンス向上のためにセッティング変更を試します。明日までにきっと何らかの答えが見つかるでしょう。ウイークポイントを取り除くためにチームみんなで懸命に作業を続けています。僕自身も、今日はフィーリングがよかったとはいえ常に前進するためにハードワークが必要であることをよく理解しています。明日はラップタイムを更新し、トップに近づきたいです」
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