チームスズキエクスターは、激戦のMotoGP イタリアGPで揃ってトップ5フィニッシュの快走をみせた。青空が広がった日曜朝のムジェロサーキットは、例年通り早朝から観客たちの興奮に囲まれ、20分間のウォームアップ走行で再びセッショントップタイムを記録した母国ライダーのアンドレア・イアンノーネは、観客からの熱い声援に包まれる。
チームメイトのアレックス・リンスは、土曜の転倒で痛めた肩の状態を確かめつつ、ウォームアップセッションを決勝に向けての最後の調整に費やし、どちらも午後2時にスタートする激戦に備える。決勝はふたりのライダーが揃ってフロントミディアム、リヤハードのコンビネーションを選択。気温29℃、9万人を超える観客に包まれた決勝前のグリッドは観客の興奮でさらに暑さを増し、シグナルが消えてグリッドから一斉に飛び出したライダー達に観客の視線が釘付けになる中、チームスズキエクスターライダーのふたりはどちらも好スタートを決め、オープニングラップではイアンノーネ4番手、リンスが6番手につける。数台の転倒があったレース序盤、イアンノーネ、リンス共に高い集中力で走行し、上位グループに滑り込む。マルケス(ホンダ)の転倒後、イアンノーネは3番手をキープして走行を続けるも、その後、後方から追い上げてきたロッシ(ヤマハ)とペトルッチ(ドゥカティ)との激しいバトルに。レース中盤、イアンノーネはタイヤの摩耗を意識し、自らペースダウン。その間にイアンノーネをオーバーテイクし、リンスが4番手にポジションを上げる。チームスズキエクスターのペアはその後もランデブー走行を続け、終盤に順位を入れ替えて、イアンノーネ4位、リンス5位でチェッカーを受ける。表彰台獲得のチャンスは逃したものの、ふたり揃ってトップ5入りというポジティブな結果でイタリアGPを締めくくった。アンドレア・イアンノーネ (4位)「表彰台に乗れるように全ての力を出し切って頑張ったけど、一歩及ばなかったね。路面温度が相当上がっていたから、リアタイヤがグリップしなくて、ストレートの加速がうまくできずにタイムロスし、それをコーナーでリカバリーしようと思うから、かなりハードだったよ。でも今日のレースには満足しているよ。スタート直後はトップグループでレースするために全開で飛ばしたけど、終盤にタイヤがきつくなることは予想していたから、中盤はタイヤを温存するためにちょっとペースを調整したストラトジーもうまくいったと思うし、4位という結果には満足しているよ。まだいくつか小さな問題があるので、さらにセットアップを詰め、常に上位でレースできるようにしたいね。」アレックス・リンス (5位)「昨日の転倒で肩を強打し、痛みもあったし、あまり力が入らなかったから、まさかこんな結果を残せるなんて思っていなかったよ。レース中は肩のことは一切考えず、とにかくレースに集中するようにしていたんだ。5位という結果も嬉しいけど、高い路面温度でフロントがあまりグリップしない状態でどうやって走ればいいのかも理解できたし、学んだことがとても多かった。チームが今週も素晴らしい仕事をしてくれて、ほんとに感謝しているよ。肩の状態がまだ心配なので、明日バルセロナで再度検査をし、母国GPに向けて万全な体制を整えるようにするよ。」河内健 (テクニカルマネージャー)「良いレース、良いファイトでした。アンドレアについては今週非常に安定して速かったので、我々としてはもう少し上を期待していたのは否めませんが、決勝での走りはとても良かったと思います。アレックスについては、今朝のウォームアップでは肩の痛みからまともに走れない状態だったので、そこから決勝で見せたあのパフォーマンスには、正直驚いています。非常に良い仕事をしてくれました。表彰台に届かなかったのは残念ですが、次のカタルニアでも引き続き表彰台へのチャレンジを続け、早く復帰2勝目を挙げたいと思いますので、応援よろしくお願いします。」ダビデ・ブリビオ (チームマネージャー)「今日は最初から最後までずっと上位での激しいバトルができましたし、表彰台にもあと一歩だったので、まずまずの結果だったと言うべきでしょう。今日のように常に上位でバトルができれば、チャンスは必ず巡ってきますからね。ふたりの決勝での素晴らしいパフォーマンスに本当に感謝しています。アンドレアはこのサーキットには自信があるはずなので、絶対に表彰台に上がろうという強い意思で最後まで攻めの走りをしていましたし、アレックスは昨日の転倒による体の痛みに苦戦しながらも、持っている力を全て出し切り、とにかく全力で走ってくれました。今日のようなバトルは我々をさらに強くしてくれると思いますし、次戦はアレックスの母国GPとなるカタルニアで、我々のマシンとも相性が良いサーキットなので、この好調を維持し、さらに上を目指していきたいと思います。」関連:【MotoGP】 第6戦 イタリアGP 決勝:ロレンソがドゥカティ移籍後初優勝!
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