マルク・マルケス、最高峰クラス4連覇なるか10月4日から6日までの3日間、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで、第15戦タイGPが開催される。チャーン・インターナショナル・サーキットは、2015年にスーパーバイク世界選手権(SBK)が行われ、MotoGPは18年に初回大会が行われた。今年が2回目の開催となる。
チャーン・インターナショナル・サーキットは、首都バンコクから東に約400kmの場所に位置する。カンボジア国境に面するブリーラム県にあり、コースは一周、4.554km。前半区間はロングストレートが続き、中盤から後半にかけては中速コーナーが続くテクニカルセクションとなる。パッシングポイントの少ない難しいレイアウトのため、予選から激しい戦いが予想される。14戦を終えて総合首位のマルケスは、総合2位のA・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に98ポイント差をつけ、タイトルに王手をかけた状態で今大会を迎える。マルケスは昨年、72ポイント差でタイGPを迎え、決勝レースでドヴィツィオーゾとのし烈な優勝争いを制し、タイトル獲得に王手をかけた。今年は最高峰クラス4連覇、通算6回目のタイトル獲得に世界中が注目することになる。昨年は、最高気温が32℃、路面温度が49℃という厳しい条件の中でレースが行われた。マルケスは、予選、決勝ともにすばらしい走りを見せてポールトゥウイン。初開催のMotoGPを見ようと集まった10万人を超える大観衆を魅了した。今年は14戦を終えて8勝を含む13回の表彰台獲得と安定した戦いを続けてきた。今大会もRC213Vのパフォーマンスを存分に発揮し、大会2連覇とタイトル獲得に挑む。14戦を終えて総合9位のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、昨年の大会ではタイヤのパフォーマンスをうまく引き出せなかったが、厳しい状況の中で7位とまずまずの結果を残した。フリー走行は3番手と好調なスタートだったが、最終的に、暑さと厳しい路面コンディションにセットアップを合わせ切れなかった。今年は昨年の課題を参考にセットアップを進め、RC213Vのパフォーマンスを引き出し、今季3回目の表彰台獲得に挑む。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、後半戦に入って、さらに大きなステップを刻む意気込みだ。昨年の大会では、レース序盤に転倒を喫し、再スタートを切りましたが22位という残念な結果だった。フリー走行、予選はまずまずの内容だっただけに悔しい結果だった。今年は昨年の経験を活かし好リザルトを目指す。そして、ホームグランプリとなる次戦日本GPに向けて勢いをつける意気込みだ。ケガから復帰4戦目となるホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、体調も徐々に回復しており、今大会はベストリザルトを目標に挑む。ドゥカティで参戦した昨年は、初日のフリー走行で転倒を喫し大会を欠場した。今年は、フリー走行、予選、決勝と着実に前進していく意気込みだ。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「アラゴンはすばらしい週末になりました。ホームの観客の前で優勝できてとてもうれしい気持ちになりました。この自信とエネルギーをタイでもキープし、力強い週末にしたいと思います。環境が変わってもレースウイークへのアプローチは変わりません。日曜日の決勝レースで、できる限り強くなれるように自分の仕事をします。昨年のタイGPはとてもエキサイティングなレースになりました。今年もファンのためにいいレースができることを願っています」カル・クラッチロー(MotoGP 総合9位)「ミサノに比べて、アラゴンではかなりいいレースができました。引き続きタイGPとそれに続く遠征シリーズで前進できることを願っています。昨年は力強いレースができたので、今週末もいいレースができると思います。マシンのブレーキングと自分の走り方を活かせれば、いくつかのコーナーでアドバンテージを築けると思います。Hondaとチームのスタッフは、いつもすばらしい仕事をしてくれています。みんなの努力が結果に反映されることを願っています」中上貴晶(MotoGP 総合12位)「ヨーロッパを離れての遠征戦は、僕にとって本当に重要なレースになります。前戦アラゴンGPを終えて、いったん日本に戻り、それからタイに向かいました。短い移動なので、時差ぼけも少なくて済みます。タイのサーキットは好きです。とてもシンプルなレイアウトですが、簡単ではありません。しかし、Hondaとは相性がいいサーキットだと思います。天候と路面コンディションに合うベストな戦略を見つけたいと思います。目標はすべてのセッションでトップ10に入ることです。チャンスがあれば、決勝ではトップ6かトップ7を狙います。これが今週末の目標です。いい天気になることを願っています」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 総合19位)「昨年のタイGPはあまりいい週末ではありませんでした。大きな転倒をしてしまい、レースに出られなくなってしまいました。今年はレースを完走したいと思います。昨年のマルク(マルケス)の走りを見るとマシンはこのサーキットとの相性もよく、いいレースができると思います。アラゴンは難しいレースでしたが、今週末はいい週末になることを願っています。プラクティスセッションで、ペースがよくなってきていることを感じています。このポテンシャルを発揮することが、今大会の目標です」