2019年のMotoGP 第5戦フランスGPが、5月17日(金)~19日(日)の3日間、ル・マン・サーキットで開催される。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で56回目を迎える。ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催された。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となり、今年で20年連続、ル・マンでは通算32度目の開催となる。
ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られている。このレースは、一部に一般道路を利用するサルテ・サーキットで行われる。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われる。ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見もの。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになる。またこの時期のル・マンは雨が多く、過去12年を振り返れば、2007~09年の3年間と、2012年と13年は雨のレースとなり、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用された。過去5年は天候に恵まれドライコンディションで行われた。前戦スペインGPで今季2勝目を達成、総合首位に浮上したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今季3勝目に挑む。ル・マンでは、MotoGPクラスにデビューした13年にポールポジション(PP)を獲得し、雨となった決勝では3位でフィニッシュした。14年には2年連続PP(Moto2クラスから数えると3年連続)を獲得。オープニングラップでは、他車との接触を避けるために10番手までポジションを落としたが、そこからすばらしい追い上げをみせて優勝を果たした。15年はMotoGPクラスで3年連続(通算4年連続)となるPPを獲得するも、決勝ではタイヤの消耗に苦しんで4位。その雪辱に燃えた16年は予選2番手、決勝では転倒再スタートという厳しい戦いとなり13位。17年はタイヤとマシンのマッチングに苦しんで予選5番手、決勝は転倒リタイアと3年連続で優勝、表彰台から見放されていましたが、18年は予選2番手から優勝を達成した。2000年にル・マンが復活してから過去19年間でHondaは9勝を挙げているが、マルケスはMotoGPクラスにデビューしてから6年間で2勝と、どちらかと言えば苦手とするサーキットの1つ。昨年はRC213Vのセットアップも進み、マルケスがライバルを圧倒した。今年は2年連続、3回目のフランスGP制覇を目指す。開幕戦カタールGPから4戦連続でトップ10フィニッシュを果たしている中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、5戦連続トップ10フィニッシュとベストリザルトに挑む。前戦スペインGPでは、初めてダイレクトでQ2進出を果たし、ベストグリッドとなる8番手でスタートし、9位でフィニッシュした。フリー走行や予選では、RC213Vのパフォーマンスを確実に引き出せるようになったが、決勝は序盤にペースを上げられないことが課題になっている。スペインGP終了後の公式テストではその対策に挑み、今大会は予選、決勝ともにベスト更新が期待される。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、今季2回目の表彰台と今季初優勝に挑む。今年は開幕戦カタールGPで3位表彰台に立ち幸先のよいスタートを切ったが、第2戦アルゼンチンGPではジャンプスタートのペナルティーの影響で13位、第3戦アメリカズGPは予選3番手からトップグループを追走するも転倒リタイア。第4戦スペインGPでもタイヤの選択が決まらず8位と苦戦が続いている。昨年のフランスGPは、優勝争いに加わるペースがあったが、予選の転倒の影響で、決勝は8位でした。ル・マンでは13年に2位表彰台を獲得していて、それ以来となる表彰台獲得、さらには今季初優勝が期待される。Repsol Honda Teamに移籍するも、序盤の4戦を終えて苦戦が続くホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)が、今季ベストリザルトに挑む。ロレンソは、08年にMotoGPクラスに参戦してから11年間で5勝を挙げている。前戦スペインGPではフリー走行で本来の力を発揮する走りを随所で見せていて、今大会はさらにRC213Vのパフォーマンスを引き出すことは間違いない。今季初表彰台と初優勝が期待される。マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)「ヘレスで行われたスペインGPはとても力強いレースができました。その後行われたテストも実りあるものとなりました。しかし、MotoGPクラスは、常に仕事をし続けなければなりません。今回のインターバルでは、F1とサッカーのライプツィヒ対バイエルンのゲームを楽しみました。サッカーのスタジアムで自分のマシンに乗ることができたのは、すばらしい体験で、音も最高でした。ル・マンは天候が不安定で難しいGPになるかもしれないので、どのようなコンディションに対しても準備を整えなければなりません。昨年の大会では優勝できましたが、今大会もライバルはたくさんいます」中上貴晶(MotoGP 総合8位)「ヘレスでのテストは、今シーズン最初の公式テストでした。テストではマシンのフィーリングがよくなり、今週末に向けて自信がつきました。昨年のル・マンGPでは少し苦戦しましたが、今年はポテンシャルを発揮できることを願っています。すべてのセッションに集中して、いつものように一生懸命がんばります。そして常にトップ10に入れるように努力することで、予選でいいポジションを獲得できると思います。ル・マンの天気はレースに大きく影響するので、どんな天気にも対応できるようにしたいです。チームといい仕事をして、日曜日には力強い走りをしたいです」カル・クラッチロー(MotoGP 総合9位)「ヘレスで行われたテストはとてもよかったので、ル・マンに行くのが楽しみです。HRCは僕たちにもっといいマシンとパッケージを提供するため一生懸命仕事に取り組んでいます。そのアドバンテージを生かし、日曜日にいい結果を出せることを願っています」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 総合14位)「ヘレスのスペインGPは厳しい結果に終わりましたが、インターバルがそれほどなくてよかったです。フランスでは過去にいいレースをしてきました。今週末もコンディションに合わせてがんばらなければなりません。スペインGP後の月曜日にヘレスで行われたテストは、RC213Vに乗る時間が増えたことで実りのあるものになりました。マシンを理解...
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