初開催となったMotoGP タイGPのフリー走行は、終日、青空が広がり、最高気温30℃、路面温度が54度を記録する、熱帯地方特有の厳しいコンディションの中で行われた。タイGPが開催されるチャーン・インターナショナル・サーキットは、2月に3日間の公式テストが行われており、各チームともに2月のデータを基に走行を開始、厳しい条件の中で、トップから1秒差に17台という大接戦となった。
その中でカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、2台のRC213Vをフルに活用、異なるセットアップに取り組みながら、3番手と上々のスタートを切った。2月の公式テストのベストタイムにはとどかなかったが、フィーリングはよく、セットアップも順調に進み、土曜日の予選、そして日曜日の決勝に向けて手応えをアピールした。2月のテストで1分30秒台で連続ラップを刻んでいるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、順調にセットアップを進めた。FP1、FP2の総合タイムでは4番手だったが、今大会も1セッション1セットのタイヤで連続走行を行い、ベストタイムは4番手だが、内容では今大会もポールポジションを狙えるものだった。今大会の結果では、タイトルに王手がかかるマルケス。「コース上では走ることに集中する」とコメントしている通り、着実にセットアップを進めた。2月の公式テストでトップタイムをマークしているダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は8番手。FP1、FP2とタイヤテストに集中し、着実に前進した。前戦アラゴンGPでは、表彰台争いに加わり5位でフィニッシュ。今季初の表彰台獲得の期待が膨らむ。後半に入って調子を上げているフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が12番手。ウインターテストのときに比べ、確実に成長していることを感じ取る一日になり、今季3回目のQ2進出に闘志を燃やす。ウインターテストで10番手につけた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、FP1で8番手、FP2で13番手へとポジションを落としたが、大接戦の中で順調にセットアップを進めた。2月のテストとは、コンディションが違うためにタイヤテストに集中、土曜日は2戦連続4回目のQ2進出に挑む。14戦を終えてノーポイントのトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は22番手。今大会もポイント獲得を目標に全力で挑む。カル・クラッチロー(MotoGP 3番手)カル・クラッチロー 「2月にここでテストを行ったときよりも路面コンディションが悪いように感じました。しばらく使われていなかったせいかもしれません。それ以外では、フィーリングもよく、マシンもうまく機能しました。今日は2つのセッティングを試しました。一つはいつものマシンで、もう一つはテストを行ったときのマシンです。いつものマシンの方が感触がよかったように感じます。明日も引き続き一生懸命がんばらなければなりません。残念ながら僕たちのタイムはトップ10に残るためには十分ではないので、明日の午前中のFP3で、またがんばらなければなりません。しかし、全体的にマシンはフィーリングはよく、チームはいい仕事をしています。ホルヘが転倒するというアクシデントがありましたが、無事であることを願っています。大きな転倒でした。決して見たいと思うようなものではありません。とにかく、自分の仕事に集中しなければなりません。そして、できる限りベストな仕事をして、トップ5でフィニッシュできるようにがんばります」マルク・マルケス(MotoGP 4番手)「今日はマシンのフィーリングがよかったです。暑い一日でしたが、耐えられない暑さではありませんでした。今大会もこれまでと同じように取り組み、タイヤやマシン、電気系のセットアップ、そして路面コンディションを理解するために周回しました。もちろんプッシュしましたが、セットアップのプランを頭においてのプッシュでした。午前中は少し滑りやすい路面でしたが、一日を通してよくなっていきました。ラップタイムはテストの時より遅いですが、これはテストの時と違うリアタイヤを使っているためだと思います。そのため基本的にセットアップをそれに合わせる必要があります。とにかく、ここまでいい仕事をしています。レースペースは快適です。明日は自分のポジションがもっとクリアになると思います」ダニ・ペドロサ(MotoGP 8番手)「今日はタイヤや路面コンディションを理解するために一生懸命取り組みました。路面コンディションは、FP1よりFP2と徐々によくなりました。グリップとトラクション、そして耐久性のベストな妥協点を見つけることが重要になってくるので、ミシュランが持ってきたいくつかのタイヤのスペックを試しました。明日も引き続きこれに取り組まなければなりませんが、今のところいい仕事ができていると思います。徐々に感触はよくなっています。引き続き前進していかなければなりません」フランコ・モルビデリ(MotoGP 12番手)「ここではタイヤのチョイスが4つあり、レースへ向けて正しい選択をすることが重要になってくるので、タイヤのパフォーマンスをチェックすることにかなり時間を費やしました。また、プレシーズンのときに比べていろいろ改善させることができたので、全体的にいい日でした。テストで走った経験があるので、より自由に走ることができました」中上貴晶(MotoGP 13番手)「FP1が8番手だったので、13番手までポジションを落としたのは残念でした。しかし、タイムがすごく接近しているので、ミスをせず、明日のFP3ではしっかりまとめてQ2に進出したいです。今日はトップ10までが0.3秒差。トップから1秒差に16台という接戦。ワンミスが決定的にタイムに影響するので、しっかりチャンスをいかしたいです。今日の課題は3コーナー。ライン取りが難しく、ここでちょっとタイムをロスしています。ウインターテストより、全体的にタイムが遅いので、明日はまだまだ上がることが予想されます。しっかりデータをチェックして明日に備えたいです」トーマス・ルティ(MotoGP 22番手)「FP2でタイムを更新したのはよかったのですが、同じポジションだったことに少しフラストレーションがたまりました。午後はマシンの感触がかなりよくなりました。明日の予選でまた前進できるように引き続きがんばります。今日はかなり走り込みましたが、もっと速くなる必要があります。FP2は本当に暑くて、こういうコンディションになったら、ライダーにとってもタイヤにとっても厳しいレースになると思います」
全文を読む